愛猫がいつも少しずつご飯を残す、食べ残したご飯を捨てるべきなのかと悩む飼い主は多いのではないでしょうか。
食べ残しは、猫の本能やライフステージの変化が関係していることが考えられます。猫は、少量頻回食、新鮮肉食者です。猫の特性を理解し、食べ残しをしないよう、与える量や回数を工夫することで、悩みを解決できます。
本記事では、ペット栄養管理士が、猫の食べ残しについて解説します。食べ残しがある際の対処法や食べ残さない工夫、気を付けるポイントも紹介するので、ぜひ内容を確認してみてください。
猫が食べ残しをする原因
猫が食べ残しをする原因は、次の4つが考えられます。
- 猫の本能
- ライフステージの変化
- ストレスを感じている
- 好みが合わない
その他に、体調不良が要因になる可能性もあります。急に元気がない、嘔吐や下痢の症状があるなどの場合には、動物病院で診察や検査をおこなってください。
猫が、健康的で元気な場合の食べ残しについて、それぞれ解説するので、原因を追及してみてください。
猫の本能
猫が食べ残しをする原因のひとつは、少量頻回食である、野生からの猫の本能です。
近年、猫はペットとして人と共生するようになりましたが、その歴史は犬に比べて短く、家猫であっても、猫の従来の本能が見られることがあります。
猫は、単独で生活をし、ねずみや小鳥、カエル、虫など、自身の体格よりも小さい小動物を狙って狩りをします。
小さな獲物から摂取できる栄養源は少なく、1日に何度も狩りをすることが必要です。
また、猫は満腹中枢が働き、腹八分目で満腹感を得ています。多くの野生動物は、体重に関する自己管理能力が高いとされ、猫も例外ではありません。
本能的なエネルギー摂取量の調整により、満腹を感じると食べることを制限することができます。
生活環境や食生活は、日常習慣に影響されるため、家猫は満腹中枢が鈍感になる可能性もあります。
多くの猫は、満腹になると、副交感神経が刺激され、リラックスし、手や顔を舐める行動が見られます。食事の匂いが身体に残らないようにする、本能的な行動です。
食後に、睡眠や飼い主に甘えるなどの時間は、満腹になっているサインともいえます。
また、猫には子猫への授乳との兼ね合いで食餌の内容を変化させる(つまり主要な栄養素についての摂取量を自ら調整できる)能力があることがウォルサム研究所の研究により明らかになっています。
ライフステージの変化
ライフステージの変化も、猫の食べ残しの原因です。
4~5か月までの子猫は、食欲が旺盛で、お腹が膨れるくらいのフードを食べます。6ヵ月を過ぎ、急成長の時期を終えると、体重あたりの必要エネルギー量が低下するため、食事量が減少します。
生理的な現象のため、いつも通りの活発さがある場合は、心配する必要はありません。
また猫は、7歳以上から中高年期、11歳以上から高齢期に分類されます。高齢になると動きも鈍くなり、活動量が減るため、多くのエネルギーを必要とせず食事量が減少します。
消化器官の衰えで消化に時間がかかることも、空腹になりにくく、満腹感を早く感じ食事を残すようになる要因です。
食べ残しをさせないためには、猫の年齢にあった食事量を与えることが重要です。ライフステージや猫の活動量に応じ、適切な量を見極められるようにしましょう。
ストレスを感じている
猫はストレスを感じると、食欲が低下する傾向にあります。
「犬は人に付き猫は家に付く」ということわざがあるように、猫は自分の暮らすテリトリーを守り、変化を嫌うとされています。
住居環境の変化、気温や室温など、何にストレスを感じているのか知ることも重要です。
とくに、引っ越しや同居人が増える、ペットホテルに預けるなどの、猫のテリトリーの変化は、大きなストレスになります。
ご飯を置く位置や食器の種類の変更も、ストレスの原因になることがあります。
しかし、キャットフードのマンネリ化が原因で食べ残すようになることも。気分屋の性格が多い猫では、フード選びが難しいものです。
環境の変化がある場合や、季節の変わり目など、ストレスを感じやすい時期には、普段以上に猫の様子を観察してください。
ストレス発散できるよう、おもちゃで遊んだり、猫がゆっくりと過ごせる空間を作ったりするのをおすすめします。
好みが合わない
与えているキャットフードが好みでない場合は、食べ残しをしがちです。
猫は、においや嚙み心地、舌触りなどを頼りに食事の美味しさを見極めます。
また、本能的に、身体に必要な栄養素を多く含む食べ物を好むため、水分含有量や栄養組成で嗜好性が変化します。
とくに、においは、猫にとって重要な美味しさの指標です。猫の嗅覚は、人と比べ数万から数十万倍以上、敏感だとされています。
野生で狩りをしていた時に、腐敗していないかにおいで判断していたことも、猫の嗅覚を優れさせる要因です。
キャットフードは、チキンやビーフ、ラム、ダックなどの肉類や、マグロ、サーモン、カツオなどの魚類が、代表的な主原材料です。
メーカーにより、原材料の割合や使用する部位に違いがあり、愛猫の好みを知るためにさまざまなキャットフードを試すのが効果的です。
缶詰やパウチのウエットフードの場合は、温度が好みでない場合もあります。
熱すぎるキャットフードはやけどの恐れもあり、猫舌の猫には向きませんが、狩りをしたときの新鮮な獲物と同じ体温程度の温度は、好む猫が多いとされています。
猫が食べ残した際の対処法
猫が食べ残した際は、衛生面を考慮し、破棄するようにしてください。
キャットフードは、空気に触れている時間が経つと、細菌の繁殖や、酸化による劣化が進みます。
時間が経過したキャットフードは、香りも減るため、美味しそうに感じられず、さらに食べ残す原因です。
ドライフードの場合は、5~6時間程度で破棄するのが目安です。夏場の暑い時期や、湿気の多い雨の日は通常よりも菌が繁殖しやすいため、3~4時間で破棄することを推奨します。
ウエットフードの場合は、30分~1時間程度以内に食べるよう促してください。
1日に数回の食事の時間に、食べ残しがある場合も破棄してから新しいキャットフードを与えるようにしましょう。もったいないからと上から新しいフードを足すのはよくありません。
猫に食べ残しをさせない工夫
猫に食べ残しをさせない工夫は、次の5項目があります。
- 1回で食べられる量を与える
- 食器を変える
- キャットフードを変える
- 少量パックのキャットフードを利用する
- 運動量を増やす
それぞれ詳しく解説します。
1回で食べられる量を与える
猫に食べ残しをさせないためには、1回で食べられる量を与えましょう。
満腹感を得て食べ残しをする猫であっても、置いておくと、いつの間にか完食していることが多くあります。
基本的に、成猫の食事は1日2回が推奨されますが、一度にたくさんの量を食べることができない猫は1日3~4回に増やすことがおすすめです。
1日の摂取量を3~4回分に割り、1回の量は少量にします。
食事の置き場を変更するのも、発見した喜びが狩りの成功に類似するため、摂取を促せます。
食べ残しをする場合は、おやつの与えすぎに注意してください。元々小食で満腹感を感じやすい場合、おやつで満足してしまい、食事の摂取量が低下します。
栄養の偏りはもちろん、カロリー過多による肥満や、偏食でわがままになる可能性があります。
食器を変える
食器を変えると、食べ残しがなくなる可能性があります。
猫は食事の際に、食器にひげが当たると不快に感じてしまうため、深さや大きさの適した食器を選択するのがおすすめです。
食器のふちにひげが当たらないよう、ザラザラとした舌や前歯を使い、すくうようにフードを食べます。
猫のひげは、「触毛」と呼ばれ、根元にある複数の知覚神経が、距離感を図ったり、目を保護したりする重要な部分です。
食器のサイズが小さい、深すぎるなどの問題があると、ひげが当たり、不快感で食事を摂ることが億劫になることがあります。
食器は、猫の顔よりも一回り大きいサイズ、深さが3〜5cm程度のものがおすすめです。
キャットフードがこぼれにくく、中央に集まりやすいよう、ふちに返しがあり、傾斜があるものがよいです。
下を向いた状態で食べると、嘔吐の原因になるため、高さが5〜8cm程度ある食器や、台の上に置き、口から食道が一直線になるようにしてください。
食器の材質も、猫により好みが異なります。陶器やプラスチック、ステンレスが代表的です。
汚れや傷がつきにくく、匂い移りの少ないもの、食事中に動かない安定感のあるものを選んでください。
キャットフードを変える
食べ残しが嗜好性の問題である場合は、キャットフードの変更という手があります。
猫は嗅覚が敏感であり、キャットフードの香りで好みが分かれます。
また、栄養組成、水分含有量、噛み心地や舌ざわりなどの食感も食欲に影響を与えます。
愛猫の好みを知るためには、さまざま主原材料を使用したメーカーのフードを試すのが有効です。
キャットフードに使用される主原材料は、高たんぱくな肉類や魚介類が代表的です。
同じ食材を使用している場合でも、メーカーにより構成する分量や、食材の産地、その他の原料により、味や食感が異なります。
キャットフードの切り替えは、1~2週間程度の時間をかけ、段階的におこなうのがおすすめです。2~3日おきに25%ずつ新しいフードを混ぜるようにしてください。
急な切り替えは、ストレスを感じるだけでなく、胃腸の不調やアレルギー発症のリスクが高まります。
口腔内や歯、消化器官に違和感がある場合は、ドライフードを好まなくなることが予想されます。硬いキャットフードは食べにくく、消化に時間がかかるため、摂取量が低下します。
獣医師の診断を受け、愛猫に適した形状のキャットフードを与えてください。
少量パックのキャットフードを利用する
食べ残しの軽減には、少量パックのキャットフードを利用することができます。
狩り直後に捕食した獲物を摂取する猫は、新鮮肉食者です。キャットフードは開封時に最も香りがよく、時間の経過とともに酸化し、香りがなくなります。
酸化とは、キャットフードに含まれる脂質が空気中の酸素と結びつくことや、紫外線や気温により変質することです。酸化により、猫が苦手な酸化臭が発生するため、食欲低下に影響します。
酸化を防ぐため、1日の給与量から計算し、2週間程度で使い切れるサイズがよいです。
最低でも1か月以内に使い切れるものを選んでください。1日70gの場合、パックの容量の推奨は、1㎏程度です。
空気に触れないよう密閉できる容器の活用もおすすめします。
酸化により、成分の変質も起こるため、本来吸収できるはずの栄養素が失われる可能性があります。
とくに、抗炎症作用や血栓予防、中性脂肪や悪玉コレステロールの減少の効果などに作用する、必須脂肪酸のオメガ3系脂肪酸は、酸化しやすい脂質です。関節によい、皮膚や被毛の健康に配慮など、オメガ3系脂肪酸の効果が記載され、DHAやEPAを添加しているキャットフードが当てはまります。
必要な栄養素を確実に吸収できるようにするためにも、酸化を防止する工夫が欠かせません。
運動量を増やす
運動量を増やすことで、食欲が増進し、食べ残しを軽減することができます。
運動不足の場合、消費カロリーが少なく、摂取した栄養が脂肪として蓄積される原因です。食欲不振だけでなく、肥満によりさらに身体を動かすことが億劫になり、体重を増やす要因になります。
上下運動ができるキャットタワーや、走れる広さの空間を作りましょう。猫じゃらしやねずみのおもちゃなど、猫が夢中になって追いかけ回る遊びは、狩猟本能を生かし食欲を刺激します。
ラグドールやペルシャなどの長毛種や高齢の猫は、運動量が少なくなりがちです。1日10~20分程度を数回に分けて遊ぶようにしてみてください。
食事の前の空腹の時間に、高いところに誘導したり、マッサージをしたりし、身体を動かすように促すことが効果的です。
猫の食べ残しがあるときに気を付けるポイント
猫の食べ残しがあるときは、体重の管理に気を配りましょう。
多頭飼いで、1匹ずつの管理が難しい場合にも、適正体重を維持できていれば、1日の必要許容量が補えていると考えられます。
正しい体重管理の仕方を理解し、愛猫にとって適切な量のご飯を与えられるようにしてください。
適正体重を維持させる
猫の食べ残しがあるときは、体重の管理が重要です。
人にも小食の人がいるように、猫の個性で食事量は異なります。必要なエネルギーの摂取ができているかを、確認することが大切です。
成猫は平均的に3~5㎏が標準的とされますが、品種や個体差により異なるため、体重とあわせて体格や体型が重要になります。
愛猫の身体を観察し、適正体重であるかを判断してみてください。
環境省は猫の体型を判断する基準として、飼い主のためのペットフード・ガイドラインで、ボディコンディションスコア(BCS)を推奨しています。
BCSは、痩せすぎや太り過ぎの評価を、脂肪の付き方から、見た目と触れた状態で判断する指標です。
飼い主のためのペットフード・ガイドライン
猫を上から見た際に、肋骨の後ろに腰にくびれがあること、横から見た際に、腹部が吊り上がり、脇腹にひだがあること。見ることはできないが、触った時に肋骨に当たることが、猫の理想体型とされています。
BCSは、感覚的な指標であるため、愛猫の適正体重を知るには、獣医師の診断を受けることをおすすめします。
純血種以外の場合でも、顔や身体の骨格や、筋肉の付き方から専門的に似た品種を判断してもらうと、タイプの近い品種の適正体重を参考にできます。
1日の必要供給量を与える
食べ残しがある場合でも、1日の必要供給量を与えるのが鉄則です。
ここからは、体重をもとに、1日の必要供給量の計算方法を紹介します。
手順①安静時のエネルギー要求量(RER)の算出
体重から安静時のエネルギー要求量(RER)を算出します。
計算式は下記のとおりです。
安静時のエネルギー要求量(RER)=30×体重(㎏)+70
体重 | 安静時のエネルギー要求量(RER) |
---|---|
1㎏ | 100 |
2㎏ | 130 |
3㎏ | 160 |
4㎏ | 190 |
5㎏ | 220 |
6㎏ | 250 |
7㎏ | 280 |
8㎏ | 310 |
安静時のエネルギー要求量は、健康な動物が適温の部屋で動かずに過ごす際の必要エネルギー量です。
最小限のエネルギー量であるため、安静時のエネルギー要求量よりも少ない量であると、痩せる原因になります。
手順②エネルギー要求量(DER)を算出
安静時のエネルギー要求量(RER)に、活動やライフステージに合わせた係数をかけ、1日のエネルギー要求量(DER)を算出します。
同じ体重であっても、温度や湿度などの気候や疾患の有無、活動量の違いにより、消費するエネルギーは異なります。
体重あたりの安静時のエネルギー要求量に係数をかけ、個々の状態にあわせた必要エネルギー量を算出できます。
ライフステージ | 係数 |
---|---|
子猫期前期(生後~4ヵ月) | 3.0 |
子猫期後期(5ヵ月~12ヵ月) | 2.0 |
成猫期(1~7歳)未去勢、未避妊 | 運動量少:1.2、運動量多:1.6 |
成猫期(1~6歳)去勢、避妊済み | 運動量少:1.2、運動量多:1.4 |
高齢期前期(7∼10歳) | 運動量少:1.1、運動量多:1.2 |
高齢期前期(11歳~) | 運動量少:1.1、運動量多:1.6 |
例えば、5歳5㎏の避妊済み、活発な猫の場合
1日のエネルギー要求量(DER)㎉ = 安静時のエネルギー要求量(RER)× 係数
= 220×1.4
= 308㎉
季節の温度や湿度、猫の体型により、係数は変化するので、あくまで目安として参考にしてください。
手順③適切なフード量を計算
キャットフードのパッケージに記載された100gあたりのエネルギー量を参照し、適切なフード量を計算します。
計算式は下記のとおりです。
フード量=1日のエネルギー要求量(DER)㎉ ÷ 100gあたりのエネルギー量 ×100
例えば、5歳5㎏の避妊済み、活発な猫が、400㎉/100gを食べる場合
フード量=308㎉ ÷ 400 ×100
=77g
5歳5㎏の避妊済み、活発な猫は1日に77gのキャットフードが必要です。
1日4回の頻回食にする場合は20g程度ずつ与えます。
キャットフードには、体重や年系に応じた給与量の早見表が記載されている場合があります。
計算をしなくても、おおよその量を知ることができますが、猫により活動量が異なるため、かける係数に差があり給与量が変わります。
愛猫の1日のエネルギー要求量を覚えておくと、キャットフードを変えた時にも計算しやすいです。
下記の記事でおすすめしているキャットフードの100gあたりのエネルギー量は下記のとおりです。
- オリジン オリジナルキャット 416㎉/100g
- カナガン キャットフードチキン 405㎉/100g
- ニュートロ ワイルドレシピ アダルトチキン(成猫用)380㎉/100g
多頭飼いではそれぞれの摂取量に注意する
多頭飼いの場合は、とくに食べ残しに注意することが必要です。
食べ残しをする猫がいる場合、他の猫が食べてしまう可能性が高いです。適正量を与えることができなくなるため、栄養の過不足が起き、肥満や痩せの原因になります。
子猫の時期から、ともに生活をしている猫同士では、食生活が習慣づけられ、相手の食べ物を奪う行為が少ない傾向にあるとされます。
成猫からの多頭での生活では、年齢差や性別間の縄張り争いが起こることも考えられます。
それぞれが適正量の摂取ができているか、確認することが大切です。
個々のテリトリーがある場合は、他の猫が立ち入らない場所に食事を置きましょう。食事の時間だけ、行き来できる部屋を制限するのもおすすめです。
食事の摂り方は、早食いや時間をかけて完食するタイプなど、猫の個性や性格によります。食べるスピードが遅くなる高齢猫や、食事による治療が必要な猫の場合は、他の猫との食事管理が難しくなることが予想されます。
それぞれの猫の個性にあわせながら、飼い主の負担になりすぎない工夫が大切です。
猫が食べ残しをするときのよくある質問
猫の食べ残しは、飼い主にとって不安になる原因です。食べ残しがあってもいいのか、栄養が不足していないか、どのように与えるべきなのかというよくある質問についてお答えします。
食べ残しがあってもいいの?
基本的に、食べ残しは理想的ではありません。
必要なエネルギー量の摂取ができない可能性があるため、正しく計算した1日の適量を与えるべきです。
猫が食べ残す原因は、本能やライフステージの変化など、猫の特有さが影響している場合があるため、仕方ないことと考えることもできます。
しかし、ストレスや嗜好の違いにより、本来は空腹のはずなのに食べないこともあるため、原因を追究することが重要です。
与える量や回数、キャットフードの工夫で、食べ残しを防ぐことができます。
食べ残しがある際に気をつけるべき栄養素は?
食べ残しがある際でも、総合栄養食のキャットフードを与えている場合は、とくに注意する栄養素はありません。
1日に必要なフード量が摂取できることが重要です。
おやつやトッピングの与えすぎによる総合栄養食の食べ残しは、脂質が多い場合が多く、必要な栄養素が不足する可能性もあるため注意が必要です。
猫に置き餌はよくない?
頻回食の猫には、自由な時間に食べられる置き餌もよいですが、注意点があります。
置き餌の場合に注意すべき点は、与えてからの経過時間です。長時間放置すると、キャットフードは酸化し、匂いがなくなるため、新鮮な食事ではありません。また、細菌が繁殖する恐れもあり、猫が体調を崩す可能性もあります。
置き餌であっても、食べられる量を見極め、少量ずつ置くようにしてください。
飼い主の都合で、日中数回の食事を与えられない場合には、自動供給機の活用もおすすめです。時間や量の管理ができ、乾燥剤、空気に触れない密閉された仕様で、キャットフードの酸化防止にもつながります。
カメラ機能が付いたものも発売されており、留守中の見守りにも役立ちます。
まとめ
本記事では、猫に多い食べ残しの悩みについて解説しました。
狩りをしていた野生時代の猫の本能やライフステージの変化、環境や嗜好の違和感によるストレスなどで、猫は食べ残しをすることが多々あります。
食べ残しは、栄養面や衛生面で、猫の体調に悪影響を与える可能性があります。
食べ残しをしないよう、少量ずつ与えたり、食器やキャットフードを変えたり、運動をさせることにより、食欲を増進させる工夫が必要です。
愛猫にとって正しい食事量を理解し、健康的な体格が維持できるように日頃から意識したいものです。