犬は様々な理由で迷子になってしまうことがありますが、「犬が最も迷子になりやすい時期」があるのをご存知でしょうか。
迷子ペット.NET調べのデータ及び、アニコム損保調べのデータを確認すると、1年のうち最も犬の迷子の発生件数が多いのは8月となっています。
2023年も半分が過ぎ、もうすぐ夏本番が近づいていますが、犬の迷子が多く発生してしまう8月に向けて、今一度大切な家族である愛犬が迷子にならないために私たち飼い主がやるべきことや、もしも愛犬が迷子になってしまった際の対処法などについて、今回の記事ではご紹介します。
犬が迷子になってしまう理由
犬が迷子になってしまう理由には色々な理由があります。
例えば、
- 雷や花火などの音にびっくりして逃げ出してしまった
- 玄関や窓の隙間から抜け出してしまった
- 庭に放している際にいなくなってしまった
- 散歩中にリードが抜けてしまった
などが挙げられます。
また迷子ペット.NET調べのデータを確認すると、犬の迷子の発生場所については、自宅が79%、散歩中13%と散歩中に比べて自宅での発生率が高いということが分かります。
雷や花火などの音が苦手な犬は多く、その音にびっくりしてパニックになり、普段であれば大丈夫なはずの玄関・窓・庭から脱走してしまうなど、自宅での思わぬ事態により逃げ出してしまうということが起こりうるのです。
自宅だと飼い主も安心してしまい、気が緩むこともあると思いますが、自宅で迷子が発生することも多いということを知った上で、対策をしていくことが大切です。
愛犬が迷子にならないように飼い主が必ずやるべきこと7選
それでは愛犬が迷子にならないように私たち飼い主が必ずやるべきこと7選を以下紹介いたします。
- 窓や玄関から脱走できない環境作りを行う
- 庭で自由にさせる場合などは絶対に目を離さない
- リードと首輪の確認
- 天気予報や花火イベントの確認
- 車内ではクレートに入ってもらう
- 呼び戻しのトレーニングをしておく
- 鑑札・済票・迷子札・マイクロチップをつけておく
窓や玄関から脱走できない環境作りを行う
これからの季節は、網戸の状態にしたり窓を開けて過ごすことも多くなるのではないでしょうか。
普段は脱走しなくても、雷や花火など驚くことが起きた時などは開いた窓などからパニックになって脱走してしまうことも考えられます。犬によっては網戸を破って脱走したりする犬もいます。
「自分の家のわんちゃんは大丈夫!」と考えるのではなく、絶対に開けられないように、窓に柵を設置したりと、脱走できない環境作りを飼い主が行うことが重要です。
また急な来客などで玄関を開けた際に、隙間から脱走してしまう犬もいるので、玄関を開ける際はリビングの扉を閉めて廊下に出られないようにするなどの工夫が必要です。
- 窓や玄関などの扉を開けっぱなしにする習慣をつけない
- 窓や玄関に柵をしたりして不注意で開けっ放しになってしまっても脱走できないような環境作りをする
- 来客などで玄関を開ける際は、廊下に犬が出れないようにリビングの扉を閉める
庭で自由にさせる場合などは絶対に目を離さない
塀や門がある自分の敷地である場合、ノーリードでわんちゃんを自由にさせてあげることもあるかもしれません。その場合でも、必ず愛犬から目を離さないようにしましょう。
絶対に乗り越えられないと思っていても、ジャンプして乗り越えてしまったり、門の隙間から脱走してしまうこともあり得ます。自分の庭だから、と安心してひとりで遊ばせたりせずに、しっかりと見守った上で、庭で遊ばせるようにしましょう。
リードと首輪の確認
庭で外飼いをしている場合や、室内飼いであってもお散歩やお出かけをする際には、リードや首輪を装着していると思います。
そのリードや首輪の確認は特に下記の点を中心に徹底して行いましょう。
- リードや首輪が劣化してちぎれやすくなっていないか
- サイズが合っているか、緩くなっていないか
散歩中のリードや首輪に関しては、脱走防止のために、首輪に加えてハーネスを併用することもおすすめです。首輪とハーネスのそれぞれのリードを持ってお散歩することで片方が抜けてしまっても、片方が繋がったままになるので、首輪が抜けてそのまま迷子になってしまうということを防ぐことができます。
またハーネスと首輪を、ジョイントリードで繋ぐことで、リードを2本持たなくても同じ効果を得ることができるのでおすすめです。
天気予報や花火イベントの確認
冒頭で8月が最も犬の迷子の発生率が高いとお話ししましたが、その理由は雷や花火などによるものであると考えられます。
天気予報で雷が鳴るかどうかや、近くで花火が上がらないかなどをチェックしておきましょう。
外飼いの場合は天気予報やイベントの有無によっては、あらかじめ室内に入れてあげるようにしましょう。また、室内飼いの場合であっても天気予報やイベントの有無によって、窓はしっかりと戸締りをしたり、不用意に玄関を開けたりしないようにするなど、対策を講じましょう。
車内ではクレートに入ってもらう
ノーリードで車内で自由にさせている場合、車の扉を開けた途端に飛び出してしまうということが起こります。実際に、飼い主は車の扉を開けるつもりはなくても、子供が勝手に開けてしまいそのまま脱走してしまったなんて事例もあります。
そのため運転中はクレートの中に入ってもらうことが、車からの飛び出しを防ぐ1番の対策です。
目的地に到着したら、車の扉を閉めた状態でクレートを開けしっかりとリードを繋いだことを確認してから、車の扉を開くようにしましょう。
そのために普段からクレートトレーニングを行い、クレートで過ごすことに慣れるようにしましょう。
クレートトレーニングの方法
まずは愛犬にあったサイズのクレートを用意します。愛犬がクレートの中で立つことができ、中でくるっと方向転換ができるくらいの余裕があるものを選びましょう。
クレートが用意できたらまずは落ち着ける部屋の中に設置し、クレートの中に愛犬のお気に入りのおやつを入れましょう。自発的に愛犬がクレートの中に入っていけるようになるためのトレーニングを行います。
愛犬が自分からクレートに入れるようになったら、まずは短時間からクレートの扉を閉めるトレーニングを行います。慣れてきたらどんどんクレートを閉める時間を伸ばしていきましょう。
クレートトレーニングの方法については、ニュートロ公式通販サイトの「いざという時のために、ワンちゃんのクレートトレーニング」というページに詳しく解説が掲載されていましたので、ぜひ参考にしてみてください。
呼び戻しのトレーニングをしておく
目の前で脱走してしまった際に、呼び戻しができると迷子になることを防ぐことができます。
飼い主が声をかけると必ず戻ってきてくれるように日頃からトレーニングをしておきましょう。
呼び戻しのトレーニング方法
愛犬のお気に入りのおやつなどを用意し、「おいで」と声をかけます。「おいで」に反応して飼い主の元へ戻ってこれたら、目一杯褒めてからおやつをあげましょう。
呼び戻しのトレーニングについては、まずは近い距離からはじめ、慣れてきたら距離を離していきます。また、トレーニングを行う場所やタイミングについても、下記のように順番を踏んでステップアップしていきましょう。
- 家の中などの愛犬が落ち着ける場所で、愛犬が落ち着いているときに行う
- 興奮しているときや、おもちゃで遊んでいる最中に行う
- 家の外など愛犬があまり落ち着かない環境下で行う
呼び戻しのトレーニング方法については、「犬の呼び戻しの教え方をドッグトレーナーが解説!できない・逃げる理由も紹介【動画つき】」という呼び戻しのトレーニングについて詳しく解説をしているページがありましたので、こちらも参考にしてみてください。
また呼び戻しのトレーニングが完璧でないうちは、散歩中に抜けてしまった時の対策として、愛犬のお気に入りのおもちゃ・おやつを散歩中に持ち歩くようにすることも有効です。
実際に私も愛犬と公園を散歩中に、ハーネスが抜けてしまった経験があります。
そのときお散歩バッグに入れていた愛犬のお気に入りのおもちゃを見せて、私がそのおもちゃを持って逃げる素振りをすることで、愛犬の方から追いかけてきてくれて無事に捕まえることができたということがありました。
普段から「愛犬を追いかける」のではなく、おもちゃを持って飼い主が逃げるなどの「愛犬に追いかけてもらう」遊び方をすることも、呼び戻しが完璧じゃないうちは大変有効な対策になるのではないかと私は思います。
鑑札・済票・迷子札・マイクロチップをつけておく
自治体に登録するともらえる鑑札や狂犬病の予防注射をするともらえる済票は、記載されている番号と保健所にある台帳を照合することで、すぐに飼い主の名前・連絡先を調べることができます。
また迷子札はひとめでわかるように飼い主の名前・連絡先が記載されているものが多いかと思います。デザインも豊富で、愛犬に似合う好きなものを選んで装着することができます。
マイクロチップについては、埋め込みになるので、上記の鑑札・済票・迷子札と比較して、紛失する心配がありません。マイクロチップの埋め込みについては、かかりつけの動物病院の獣医師に相談してみてください。
我が家では、迷子札になっている飼い主の名前・電話番号が記載されている飾り用の首輪に鑑札・済票をつけています。またもしも首輪が抜けてしまっても大丈夫なように、マイクロチップも装着しています。
もしも愛犬が迷子になってしまった時の対処法・探し方
対策を徹底して行っていても、何かしらのアクシデントで愛犬が迷子になってしまった場合にはどのように対処したらいいのでしょうか。
愛犬が迷子になったらまずは警察・保健所・動物愛護センターに連絡を
大切な愛犬が何かしらの理由で迷子になってしまった場合には、速やかに警察・保健所・動物愛護センターに連絡しましょう。自分で帰ってくるかも?と悠長に構えている時間はありません。
時間が経つごとに犬の移動距離も増えていき、捜索すべき範囲も広くなっていきます。またそれにあわせて交通事故に遭う可能性も高まります。
また身元を証明する鑑札・済票・迷子札などがついておらず(付けていても迷子になり移動している最中に取れてしまう可能性もあります)その上、飼い主から連絡が保健所に入っていない場合には、飼い主が特定できません。
飼い主が特定できない場合、一定期間は保護してくれますが、その後新しい飼い主を探し見つからなければ、そのまま処分されてしまうことになります。
保健所で収容可能な期間は、各自治体によって異なりますが、そのようなことが絶対に起こらないように、速やかに警察・保健所への連絡をする必要があります。
動物愛護センターは、厚生労働省管轄の人間の保健に関する業務を行う保健所から、動物に関する業務のみを引き継いだ施設です。詳細について、わんちゃんホンポ「保健所と動物愛護センターの違いって?それぞれの特徴を知っておこう」というサイトに詳しく掲載されていたので気になる方は、確認してみてください。
愛犬がいなくなった場所の周辺を捜索・聞き込み
愛犬がいなくなった場所を中心に捜索します。普段散歩している場所など馴染みの深い場所・暑い場合は涼しい場所・寒い場合は暖の取れる場所などに身を隠している場合もあるので、隈なく探しましょう。名前を呼びながら探したり、「ご飯」など愛犬の反応する言葉を言いながら捜索することも良いでしょう。
犬の散歩をしている方などに、いなくなった愛犬の写真を掲示して聞き込みを行うことも有効です。
また見つかった場合のために、愛犬のお気に入りのおやつ・おもちゃ、首輪、リード、クレートを用意しておきましょう。
Twitter・掲示板・ポスターなどで情報提供を求める
Twitter上で迷子犬などのハッシュタグを付けて、迷子になった場所・犬の写真・特徴・犬種などを記載して投稿しましょう。また愛犬と似ている犬を保護したと投稿している人がいないかもチェックします。そのような投稿を発見した場合にはDMで連絡をしてみてください。
またネット上には迷子になった動物を探すための掲示板もいくつか存在します。そのような掲示板に登録して愛犬を探すこともできますので以下確認してみてください。
ポスターは貼り付けるのに、許可が必要になります。町の掲示板・動物病院・ペットサロンなどポスターを貼っていいか確認をとってからポスターを貼りましょう。
ポスターの制作に関しては、大阪市の公式サイトの「迷子動物の捜索ポスターが無料で御利用いただけます」のページに見本や無料でダウンロードできるものがありますので、確認してみてください。
ペット探偵へ依頼する
迷子になったペットを探してくれる専門の業者に依頼して、探してもらうという手段があります。
お金はかかりますが、ペット探しのプロに依頼することで、見つかる確率が少しでも上がるかもしれないので、検討してみてもいいと思います。
迷い犬を見つけたら
迷い犬を発見して保護できた場合で、飼い主の情報がわからない場合には、保健所・警察・動物愛護センターに連絡します。
飼い主の連絡先が首輪などからわかる場合には、飼い主に電話します。
飼い主の連絡先がわからない場合でも鑑札・済票がついている場合は保健所に連絡すれば飼い主の連絡先がわかるので、保健所に連絡しましょう。
自宅でしばらく保護できる・飼い主が見つからない場合には飼うことができるといったときでも保健所・警察・動物愛護センターへの連絡は必要になります。飼い主が探している可能性があるので、これらの施設への連絡は怠らないようにしましょう。
見つけたが保護できなかった場合でも、保健所や警察、動物愛護センターへ情報提供したり、SNSで発見した場所などの情報を拡散したりしましょう。探している飼い主が情報提供を求めている可能性もあるので探してコンタクトをとってみるのもいいかもしれません。
最後に
迷子になると、交通事故や怪我、空腹など多くの危険と隣り合わせになります。また、保健所への連絡を怠ると、そのまま処分されてしまうという事態も起きます。
愛犬が迷子になってしまうことがないように、飼い主が正しい知識を付けて対策をしていくことが大切だと感じます。
どのような理由で犬が迷子になってしまうのか、どのような対策ができるのかをいうのをあらかじめ知っておくことは、愛犬を迷子という危険から守るために必須です。
しかしどれだけ対策をしていてもヒューマンエラーは起こってしまうもの。もし万が一迷子になってしまったときに、どのように対応したらいいのかをあらかじめ知っておくことで、初動が遅れず、愛犬を保護する確率を大きくあげることができるのではないかと思います。