- 「吠えるのをやめさせたいのにどうしていいかわからない」
- 「吠え癖をやめさせるために便利なグッズを使ってみたい」
防止グッズで吠え癖をやめさせてみたいと思ったことはありませんか?
この記事では便利な吠え癖防止グッズの説明をしながら、注意点としてそれだけに頼るべきではない理由を紹介します。
これから無駄吠え防止グッズの使用を考えている方は参考にしてみてください。
犬が吠えるのをやめさせるグッズとは
犬が吠えられないをやめさせるグッズとは、犬の鳴き声に対して何かしらの刺激を与える商品になります。犬が吠えるタイミングによって使用用途が異なり様々な形があります。
主な形状は以下のとおりです。
- 首輪型
- 手持ち型
- 置き型
- アロマ型
それぞれの異なる形状で特徴や使用方法は異なります。それぞれの違いを解説します。
【首輪型】
名前の通り首に直接取り付けるタイプのグッズになります。日本国内では様々な種類が販売されており、そのほとんどが犬の吠える音に反応して何かしらの不快な刺激を与えます。
主な刺激としては高周波の超音波で不快な音を発生させるものや、ハーブ由来の香料を噴射し嗅覚を刺激するもの。他には直接首に振動や電気ショックを与えるものまであります。
【手持ち型】
手に持ちながら犬が吠えたタイミングでボタンを押すことで刺激を与えるグッズになります。
人間には聞き取りづらい高周波の超音波で犬が嫌がる音を発生させ、犬が興奮し飼い主の声が耳に入りにくい場面でも不快な音で犬の注意を引ける商品です。
【置き型】
主に玄関などで据え置きで使える超音波発生装置です。このグッズも手持ち型と同様で超音波が出る装置になりますが、飼い主がボタンを押さなくとも犬の鳴き声に反応し超音波が出せる装置です。
犬が興奮し吠える場所に設置すると効果が期待できます。
【アロマ型】
このタイプのみ犬に不快な刺激ではなく、リラックス効果で吠えを軽減させる商品です。
スプレータイプが多く、犬が興奮した場面で直接ふりかけたり、興奮しやすい場所に振りかけておくと犬が落ち着く効果のあるアロマでリラックスできます。
個体差はありますが、興奮や不安を落ち着かせる効果が期待できます。
グッズに頼り吠え癖に対処することの問題
犬の吠え防止グッズは便利な商品がたくさんありますが、グッズに頼り対処することで様々な問題が起きる可能性があります。
吠え防止グッズを使用するうえで起こりうる危険を紹介します。
吠え防止グッズの注意点や問題点を理解し、正しい使用方法を理解し上手に使えば便利なグッズになりえるので、よく読んでから吠え防止グッズを使用すべきかどうかをご検討ください。
問題1. 海外で禁止されている(犬の生命を脅かす)グッズがある
海外では犬に与える危険性の面から電気ショック首輪、スパイクチェーン(トゲ首輪)、チョークチェーン(鎖首輪)が販売禁止となっています。軍用犬を除き飼い犬にしつけ用首輪を使用すると罰金などの処罰があります。
一方、日本では電気ショックを与える首輪が未だに販売されています。動物愛護の観点から犬に痛みや不快な刺激でしつけをすることは認められていません。
電気ショック首輪などの犬に痛みや不快な刺激を与える道具を用いたトレーニングは、使い始めはとても高い効果が見られますが、徐々に効果が薄れていく傾向があるので長期の使用はおすすめしません。
また、痛みや不快な刺激がトラウマになってしまうこともあるので注意が必要です。
問題2. 愛犬との信頼関係を壊す危険も
全てのドッグトレーニングは飼い主との信頼が必要不可欠です。吠え防止グッズに頼りすぎてしまうと、犬との関係性は信頼関係ではなく過度な服従関係が植え付けられてしまいます。
家族として迎えているのに、痛みや不快感から恐怖心根付き犬に怖がられてしまっては意味がありません。なぜ吠えてはいけないのか、しっかりと伝えるトレーニングが重要です。
問題3.グッズの不快な刺激が吠えを助長することも
ほとんどの吠え防止グッズは犬に痛みや不快な刺激を与え続けるため、それが嫌で吠え続けてしまう犬もいます。
犬が吠えるのには必ず意味や理由があります。場合によっては吠えを助長し、より激しく吠え続けてしまう可能性もあります。
吠え防止グッズは吠えている意味や理由を見極めて、吠えを止める目的に合致した場面のみ使用することが重要です。
問題4. グッズの反応が不安定で指示に一貫性がなくなる
ドッグトレーニングで犬が一番不安に感じることは指示や指導に一貫性がないことです。
犬が吠えているのにグッズの感度によって、不快な刺激が発生したり、発生しなかったりすると犬が迷ってしまいます。
吠え防止グッズの感知度合いによって左右されてしまうと指示に統一性や一貫性がなくなぜ不快な音がしたのか理解してもらえません。
グッズを使う前に意識すべきこと
吠え防止グッズを使う前に注意するべきことは、使用するグッズの種類や用途は犬の吠える理由の合わせた対策が講じられる製品かをよく考えてから使用することです。
犬が吠えてしまう理由としては大きく分けて4つあります。
- 自己主張や要求時
- 不安な時
- 遊び興奮
- 警戒時
犬が吠える理由は犬の気持ちの状態によって異なり、吠える理由を知ると使用するグッズの種類も変わります。どのような特徴があるのか違いは以下の通りです。
【自己主張や要求時】
犬が飼い主に対し吠えることで気を引こうとする吠えの種類です。吠えることで飼い主に怒られたり、声をかけてもらえたり、飼い主に反応してもらうことが目的なので、声がうるさいからなどの理由でも、犬の吠えに反応してしまうと「吠えると構ってもらえる」と勘違いします。
要求の内容も見極めるのも重要ですが、吠えたら飼い主が反応すると学習されないように注意しましょう。
【不安な時】
不安な時は声のトーンが違います。自己主張や要求時と同じで飼い主に対し吠えますが吠え方が「わんわん」ではなく、遠吠えのような「うぉーん」などと鳴くのが特徴の一つです。
家や外などの環境要因のほかに、病気や怪我などの身体的要因で不安を抱えている可能性もあるので、犬が抱えている不安の原因究明をしてあげましょう。
飼い主を信頼できる仲間と思ってこのような吠えをします。
【遊び興奮】
犬が遊びに誘ってきたり、刺激的なものに対して興奮している状態です。激しく左右に獲物を捕るような動きをしながら吠えていたりします。
犬のテンションが高ぶっているため飼い主の声が届きにくく、一度興奮してしまうと落ち着かせるのには苦労します。
他の犬と遭遇した時などによく見られ、子犬のうちは落ち着かず吠えてしまいますが、成犬でも同じように興奮していると危険なので注意しましょう。
この3種類の吠える理由はわかりやすく対策も簡単
この3種類の吠えてしまう理由に関しては、目的が明白なのでトレーニングで改善できる場合がほとんどです。無駄吠え防止グッズの使用はお勧めできません。
使用することでより吠えを助長したり、不安な気持ちで大きなストレスを与えてしまう恐れもあります。
【警戒時】
1番トレーニングで困るのが、警戒時に吠える場面です。犬が待つ防衛本能で吠えることが理由です。来客時のチャイムの呼び出し音や外から聞こえる大きな音で吠えるのも同じ理由で、この吠える理由ではグッズが効果的に使用できることがあります。
ただし頼りすぎているしまうと慣れてしまって効かなくなったり、過敏に反応してしまうので注意しましょう。
次に吠えに対する対処方法を紹介します。
犬の吠えに対処する方法
先ほど吠えの種類を紹介しましたが、種類に応じて対処方法が異なります。対処方法を間違えてしまうと、吠えを助長したり、飼い主に対して恐怖心や不信感を植え付けてしまいます。上記で紹介した犬が吠えてしまう理由の順で紹介するので参考にしてください。
自己主張や要求時
自己主張や要求時の声は吠えることで飼い主の気を引こうとします。対策としては犬の気持ちを逆手に取り、吠えて何かを求めてきたときに無視するのが一番効果的です。
詳しい方法として一例をあげると、犬が遊びの誘いやおやつを求めるなど飼い主に対して要求目的で吠えてきた場合は声もかけず、目も合わせずに同じ空間や部屋から出て行ったり外出するふりなど、犬を完全に無視し、空気のような扱いをすると良いでしょう。
ただし短い時間で無視を繰り返してしまうと犬に悟られてしまうので、無視を続ける時間は犬が鎮まるまでか、5分以上間をあけると効果的です。
不安な時
飼い主の行動や飼育環境に不安を感じているために吠える犬も多くいます。
他の吠える理由と場面が似ているため見分けるのが難しいですが、対処法は異なるので犬の様子をよく観察しましょう。
この吠えのよくある事例としては、飼い主と離れる瞬間に吠えるなどです。対処方法は犬が感じている不安要素を取り除くしかありません。よくある何が不安なのかを知る必要があります。理由がわからなくとも、犬に対しやさしく声をかけるだけで効果が期待できます。
不安な状態が続くと粗相や身体を舐めたり噛んだりと分離不安症につながるため早めの対処をこころがけましょう。
遊び興奮
こちらも要求吠えに似ていますが、興奮して飼い主の声も届きにくくなるのが特徴です。
対策は犬からの遊びの誘いには答えないことです。犬と遊び始める時は、飼い主がすべての主導権を握らないと主従関係が上手に形成できません。犬からの遊びに応えたい時は、一度落ち着かせてから遊んであげましょう。
興奮時は興奮度合いをしっかり判断し、お座りや伏せなどをさせてゆっくりと撫でてあげると落ち着きます。日頃から犬のテンションをコントロールするトレーニングを重ねると安心です。
警戒時
吠えのお悩みで多いのが玄関のチャイムの音などに反応する警戒吠えで、防衛本能から飼い主や家を守ろうとしている吠えになります。本能からくる吠えなので止めるにはすこし手こずります。
対策としては吠え防止グッズを使用し、首輪型や手持ち型などで超音波を発生させ、犬の関心を飼い主に向けることで注意を引くのも一つの手です。しかし回数を重ね慣れてしまうと効き目はなくなり、逆に吠えにつながります。また、手持ち型で飼い主が鳴らしていると気が付かれてしまうと効果がありません。吠え防止グッズは犬の反応を見極め上手に使用しましょう。
他の対策としては警戒心からくる吠えなので、チャイムの後には犬にとっていい事が起きるように教える方法もあります。チャイムの後におやつを与えるなど、犬が喜ぶ嬉しい出来事を積み重ねて覚えさせるトレーニングも効果的です。
犬の吠えにはドッグトレーナーの力を借りるのも1つの手
実際は上記で説明した犬の吠える理由はごく一部です。他にもさまざまな吠える理由があり、飼い主でも犬の気持ちを理解するのは困難です。
一人で吠えの悩みを抱えるよりもドッグトレーナーに早めに相談すると吠え癖が悪化する前に改善できる可能性があります。
あれこれ独断で犬のしつけ方法を試してしまうと、飼い主の思いが犬に伝わらずより吠え癖が悪化したり、ドッグトレーナーでも手こずってしまう原因になってしまうこともあります。
プロの専門家に相談しトレーニング方法の早期見極めが重要です。
知ってほしい意思表現「カーミングシグナル」
ドッグトレーニングを検討してる方は犬の感情を知り、気持ちを読み取り信頼関係を構築することが重要です。覚えておきたい犬の感情を読み取る方法として、犬の身体表現「カーミングシグナル」について簡単にご説明します。
カーミングシグナルとは犬が特定の感情を抱いている時にボディーランゲージで気持ちを伝える27種類の動作のことです。
代表的なカーミングシグナルとしては「あくび」があります。ただ眠い時もあくびはしますが、飼い主がしつけで怒っているときも犬があくびをします。このカーミングシグナルは相手に落ち着いてほしいと伝えたり、犬自身が落ち着きたいと思った時に出るあくびです。
このようなカーミングシグナルを知ることで意思疎通ができ、信頼関係の構築を助けます。
犬に吠える行為をやめさせないで対処できるグッズ
なかなか吠え癖が治らなく、近隣住民から苦情が来てしまって困っている飼い主の方には室内用防音ハウスがおすすめです。
この製品は音を外に漏らしにくい構造の犬小屋でペットゲージの代わりに使うことで、犬が吠えそうなタイミングで入ってもらうことで音を軽減させる効果があります。
壁面は音楽室の壁と同じ防音パネルを使用し、犬の安全にも配慮し換気扇も設置してあり安心して使用できるでしょう。まだまだ認知度は低く浸透していませんが、犬にはやさしいグッズです。
まとめ
犬の吠え癖でお悩みの方向けに犬の吠え防止グッズの形状や使用方法の紹介と、グッズを使用するにあたって注意すべき点の説明をしました。
吠え癖を犬に不快な刺激が少なく直すためには
- 犬が気持ちを隠さないために信頼関係を築く
- 吠える理由を知る
- 理由をもとに対策を考える
- 継続して指示には一貫性をもつ
- 家族全員の協力が必要不可欠
犬が吠えるのをやめさせる便利なグッズは様々な刺激を犬に与えることで、正しく使う限りは効果があり即効性は期待できますが、続けると効き目も弱くなり負担も大きくなっていきます。犬の負担を少なく吠え癖を直すには吠える理由を見極めることが重要です。吠える理由に合った適切なトレーニングをすると犬との信頼関係も築けるので一石二鳥です。
犬の気持ちを理解してあげられる家族を目指しましょう。