腸内環境を整える生活を送る活動を指す「腸活」は、健康志向の方に広まっています。
ヒトと同様、犬も腸活をすることで、皮膚や被毛が健康的になり、免疫力アップが期待できます。
健康によい腸内環境はどのような状態なのか、どの食材が犬の腸活に適した栄養素なのかと疑問に思う飼い主は多いでしょう。
本記事では、ペット栄養管理士が推奨する、腸内フローラの改善におすすめの食べ物を紹介します。腸内環境を整え、愛犬が健康的な生活を送れるよう、食事を工夫してみましょう。
【犬の腸活】腸内フローラとは?
腸活の目的は、腸内フローラのバランスを正常にし、腸の働きを促すことです。
腸内フローラとは、正式な名称が腸内細菌叢(さいきんそう)であり、ヒトの大腸において、1,000種類程度の多種多様な細菌が約100兆個生息しています。
これらの細菌の集合体は、花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれます。
犬はヒトよりも濃い密度で腸内細菌が存在しているといわれており、腸活により、身体によい効果が期待できるでしょう。
腸内フローラは善玉菌、悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌で構成されています。
理想的なバランスは、善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%であり、多種多様な細菌の生息が望ましいです。
腸内細菌の主な働きや種類は次の表のとおりです。
主な働き | 主な種類 | |
---|---|---|
善玉菌 | 悪玉菌の増殖抑制 蠕動(ぜんどう)運動の促進 ビタミンの合成 | ビフィズス菌 乳酸菌 酪酸菌 |
悪玉菌 | 糖やたんぱく質の腐敗 有害物質の産生ガスの発生 | 黄色ブドウ球菌 病原性大腸菌 ウェルシュ菌 |
日和見菌 | 優位に働く細菌に影響する 基本的に無害 | 大腸菌 連鎖球菌 バクテロイデス |
犬種や食生活、在住国などの複数の要因で、細菌の種類やバランスに個体差があります。
ヒトと同様、一生涯において細菌の種類の変動はほとんどありませんが、食事内容や老化、薬の服用などが原因で善玉菌数は減少し、悪玉菌数が増加します。
腸内フローラは、バランスを保つことで、免疫細胞を活性化し、体内への病原体の侵入を防止、短鎖脂肪酸やビタミンの生成の役割を果たします。
腸活の継続で腸内環境を整えることが、健康維持のための目的です。
犬の腸内フローラを改善するメリット
犬の腸内フローラの改善は、次のようなメリットが期待できます。
- 効率よく栄養素が吸収できる
- ハリのある皮膚やツヤのある被毛が保たれる
- 免疫機能の働きが活性化する
それぞれ解説するので、内容を確認してみてください。
効率よく栄養素が吸収できる
腸内フローラの改善により、効率よく栄養素が吸収できます。
摂取した栄養素は、胃や腸内を流れる過程で体内に吸収され、エネルギーや体組織の材料として活用されます。腸内環境が正常であれば、吸収効率が高まり、内臓や細胞の活性化に効果的です。
糖や脂質を代謝する肝臓や自律神経を調整する脳など、身体の機能が正常に働くため、栄養不足や肥満の解消、精神疾患のリスク軽減にもつながります。
とくに高齢になると、体内水分の減少や悪玉菌の増加にともない、腸内環境が悪化しやすいとされています。腸活に役立つ食事を継続的に摂ることで、老化防止にも期待できるでしょう。
ハリのある皮膚やツヤのある被毛が保たれる
腸内フローラのバランスが正常な場合、ハリのある皮膚やツヤのある被毛が保たれ、若々しく健康的になるでしょう。
腸内の蠕動運動が活発になり、便秘や下痢、軟便などの症状を改善できます。毎日良好な便通であれば、肌のターンオーバー促進やデトックス作用が期待され、体内に老廃物を溜め込む心配もありません。
また、善玉菌はビタミンB群や葉酸を生成するため、代謝促進や核酸生成による遺伝子修復にもつながります。
便は体内不要物の塊であり、長時間の停滞で、アンモニアや発がん性物質などの有害物質を発生させます。有害物質が再び体内に吸収されると、さまざまな疾患を引き起こすリスクが高まるでしょう。
また、軟便や下痢では、体内の水分や栄養が失われる要因であり、脱水や栄養失調を引き起こすこともあります。
免疫機能の働きが活性化する
免疫機能の働きを活性化するためには、腸内フローラのバランスが重要です。
腸管内は免疫細胞が多く存在し、食べ物と一緒に口から取り込まれた細菌やウイルスが体内に侵入を防ぐ役割があります。
腸内フローラが正常な場合、善玉菌の働きが優位になり、免疫細胞は病原体に対するIgA抗体の生成を促します。
善玉菌の粘性物質のバリア機能とIgA抗体の働きにより、異物の選定や病原体の排除に有益です。
とくに、温度変化の大きい季節の変わり目や、夏バテや寒さで体調を崩しやすい時期は、腸内環境を整える食事が求められます。
摂取した善玉菌は、長期間体内に停滞しないため、継続的に腸内フローラを改善する食材を与えるとよいでしょう。
犬の腸内フローラを改善するために与えたい食材
犬の腸内フローラを改善するために与えたい食材を3つの目的に分けて解説します。
- 善玉菌の摂取ができる食材
- 善玉菌を増やす食材
- 腸管内の粘膜を保護する食材
食材の栄養素の特徴を理解し、適量をおやつや総合栄養食のトッピングに加えてみましょう。
本記事で算出した適正量は、総合栄養食のドッグフードを与える場合の、カロリーを基に算出した、トッピングやおやつとして利用する場合の適正量です。
5㎏の成犬を例に、エネルギー要求量は420kcal(=体重5㎏×70×0.75×係数1.6)程度であるため、追加できるカロリーは40kcal程度が目安としています。
善玉菌の摂取ができる食材
善玉菌そのものを摂取できる食材で、腸内環境を整える効果が期待できます。
細菌、酵母が作用して作られる発酵食品は、プロバイオティクスと呼ばれ、善玉菌の摂取に有益です。
プロバイオティクスは共生が語源の言葉であり、犬の健康に好影響を与える生きた菌を指します。
善玉菌の摂取ができる食材は、次の3つが代表的です。
食材 | 100gあたりカロリー (kcal) | 適正量 (5㎏の成犬:エネルギー要求量420kcalの場合) | |
---|---|---|---|
① | ヨーグルト | 56 | 70g |
② | カッテージチーズ | 99 | 40g |
モッツァレラチーズ | 269 | 15g | |
リコッタチーズ | 159 | 25g | |
③ | 納豆 | 184 | 20g(1/2パック) |
ヨーグルトには、ビフィズス菌や乳酸菌、チーズには乳酸菌、納豆には納豆菌が含まれます。
①ヨーグルト
ヨーグルトには、ビフィズス菌や乳酸菌が多く含まれ、善玉菌の摂取ができる食材です。
ビフィズス菌は腸内で有害な細菌の繁殖を抑え、腸の働きを活性化します。
乳酸菌は、腸管内を酸性に保つ乳酸を生成し、悪玉菌の繁殖を抑え、腸内フローラの正常化を促します。
犬にヨーグルトを与える際は、下痢やアレルギーが起こらないよう少量ずつから与えましょう。
普段から胃腸が弱く、下痢する機会が多い犬の場合は、獣医師に相談したうえで取り入れてください。
ヨーグルトはヒト用で問題ありませんが、無脂肪タイプで砂糖を含まないプレーンヨーグルトを推奨します。
冷たいまま与えると身体を冷やしやすいため、常温に戻すとよいでしょう。
すぐに与える場合は電子レンジで軽く加熱するものおすすめですが、ビフィズス菌や乳酸菌は熱に弱く、整腸作用の効果を発揮しないため、加熱のし過ぎには注意しましょう。
②チーズ
発酵食品は悪玉菌の繁殖を抑え、腸内フローラを正常にする乳酸菌の含有量が多く、腸活におすすめの食材です。
発酵食品はキムチやぬか漬けなどの漬物、醤油や酢、味噌などの調味料もあげられますが、犬に適し、嗜好性が高い食材はチーズがあげられます。
善玉菌として生きた乳酸菌を摂取できるのは、原料のたんぱく質を凝固したナチュラルチーズです。
ナチュラルチーズを加工し乳化させたプロセスチーズは、生きた乳酸菌は含まれません。
たんぱく質の摂取や嗜好性を高めるおやつでの利用はおすすめですが、腸活にはナチュラルチーズを選択しましょう。
とくに塩分含有量が低く、低カロリー低脂肪なカッテージチーズがよいでしょう。また、塩分含有量が低いため、モッツァレラチーズ、リコッタチーズも活用できますが、高カロリーなため肥満が気になる犬に与える際は、少量にしてください。
③納豆
納豆には善玉菌として整腸作用が期待できる納豆菌が多く含まれます。
大半の善玉菌は、酸に弱く、栄養素を分解する胃酸の影響で生きたまま大腸に届くことが少ないとされています。一方納豆菌は、芽胞と呼ばれる殻を作る特徴があり、酸や熱に強いため、腸まで届きやすく活用しやすい善玉菌です。
納豆には、食物繊維やオリゴ糖の産生による善玉菌の増殖作用や、ネバネバの主成分であるポリグルタミン酸による保水性や腸壁の保護にも効果があり、腸活に適している食材です。善玉菌を増やす食材や腸管内の粘膜を保護する食材は、後述で詳しく解説します。
犬に納豆を与える際は、包丁で細かく刻むか、極小粒やひきわり納豆を活用するとよいでしょう。
付属しているタレやからし、薬味のトッピングは、塩分過多や中毒に陥る可能性もあるため与えないでください。
幼犬やシニア犬が食べても問題ありませんが、アレルギーや消化不良に注意し、様子を観察しながら少量ずつ与えましょう。
善玉菌を増やす食材
栄養源になる食材を食べることで、善玉菌の数を増やせます。
善玉菌の増殖や活性を促す食材は、プレバイオティクスと呼ばれ、食物繊維や難消化性オリゴ糖が代表的です。
エネルギー源として代謝されることなく腸に届き、腸内フローラの改善に役立ちます。
次の食材は、善玉菌を増やす食物繊維や難消化性オリゴ糖が含まれます。
食材 | 100gあたりカロリー (kcal) | 適正量 (5㎏の成犬:エネルギー要求量420kcalの場合) | |
---|---|---|---|
① | バナナ | 40 | 100g(1/2本) |
② | さつまいも | 126 | 30g |
③ | きのこ(しいたけ) | 26 | 160g(6個) |
バナナにはオリゴ糖、さつまいもやきのこには食物繊維が含まれます。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類され、それぞれ働きが異なります。
①バナナ
善玉菌の増殖は、善玉菌の栄養素になる成分を含む食材の摂取が重要です。
善玉菌の栄養素のひとつに、エネルギー源として代謝されない難消化性オリゴ糖があります。
バナナはフラクトオリゴ糖が多く含まれ、善玉菌の作用の活性化に効果的です。
善玉菌は腸内発酵により短鎖脂肪酸を生成により、腸内が酸性に保たれ悪玉菌の増殖抑制や余分な脂肪を体外へ排出させます。
バナナは皮をむき、小さく切るか、すりつぶして与えるとよいでしょう。食欲が低下しているときは、水や犬用ミルクとミキサーにかける流動食もおすすめです。
フラクトオリゴ糖はカルシウムやマグネシウムの吸収を促進する作用もあるため、海藻類や豆類との摂取で相乗効果が期待できます。
②さつまいも
さつまいもは善玉菌の栄養源になる食物繊維が豊富に含まれる食材です。
食物繊維は、水分を吸収してゲル化による胃腸粘膜の保護の水溶性食物繊維と、便量の増加や蠕動運動の促進の不溶性食物繊維に分類されます。
また、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は組み合わせで、相乗効果が期待できます。理想的なバランスは水溶性食物繊維を1としたとき、不溶性食物繊維が倍量程度です。
さつまいもに含有する食物繊維はバランスに優れた食材であるといえます。
犬にさつまいもを与える際は、糖質が過剰にならないよう注意しましょう。
柔らかく加熱し小さくカット、すりつぶすと食べやすくなります。おやつには、食感も楽しめる干し芋の利用もおすすめです。
③きのこ
きのこには不溶性食物繊維が多く含まれ、水分を吸収し便のかさを増加、蠕動運動を促進し便通を改善します。
不要な脂質、ナトリウム、糖やたんぱく質の腐敗物など、発がん性のある有害物質を吸着し、便と一緒に体外へ排出します。
きのこ類に含まれる不溶性食物繊維は、β-グルカンと呼ばれ、腸内免疫機能を活性化させます。
腸管免疫の働きにより、細菌やウイルスが体内への侵入を防ぐため、腸内で栄養素が吸収されやすくなり、善玉菌の増殖にも有益です。
犬にきのこ類を与える際は、含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素の内容が異なるため、さまざまな種類を選択するとよいでしょう。しめじやえのき、エリンギ、しいたけ、マッシュルームがおすすめです。
消化しにくい食材なため、できる限りみじん切りにし、加熱して与えてください。
腸管内の粘膜を保護する食材
腸管は水分を多く含む粘膜で覆われており、細菌やウイルスの体内への侵入を防ぐ壁の役割を果たします。
腸内フローラのバランスと同時に、腸管粘膜を強化すると腸内環境がよい状態を保てます。
腸管内の粘膜を保護する食材は、次の3つが代表的です。
食材 | 100gあたりカロリー (kcal) | 適正量 (5㎏の成犬:エネルギー要求量420kcalの場合) | |
---|---|---|---|
① | 豚レバー | 114 | 35g |
牛レバー | 119 | 35g | |
鶏レバー | 100 | 40g | |
② | キャベツ | 23 | 170g(葉3枚程度) |
③ | めかぶ | 14 | 280g |
レバーにはたんぱく質やビタミンA、キャベツにはビタミンUが豊富です。めかぶには、粘性を持つぬめり成分が含まれます。
①レバー
レバーはたんぱく質やビタミンAを多く含み、栄養価の高い食材です。
腸管や粘膜はたんぱく質を構成成分とし、粘膜にはビタミンAにより生合成が促進されたコンドロイチン硫酸を主成分とする粘液が存在します。
コンドロイチン硫酸は、ムコ多糖と呼ばれる粘度が高い成分であり、粘液のほか、眼球のガラス体や関節液、軟骨、じん帯などに広く分布しています。
コンドロイチン硫酸は、コンドロムコタンパクとしてたんぱく質と結合すると活性されます。
コンドロムコタンパクは、粘膜の水分保持や物理的刺激のクッション材として働き、腸管内の粘膜の保護に有益です。
一般的なスーパーで購入可能なレバーは、牛豚鶏が代表的で、愛犬の嗜好にあう味、香り、食感のレバーを与えるとよいでしょう。
ヒト用の新鮮な肉を選び、食中毒を防ぐために必ず加熱してください。
小さくカットしたり、ペーストにしてドッグフードに混ぜ合わせたりすると嗜好性の向上も期待できます。
栄養価が高い食材ですが、過剰摂取の危険性もあるため、与える量を守りましょう。
とくに犬はほかの動物に比べ、ビタミンA中毒に陥りやすく、骨の奇形や結膜炎、肝臓や腎臓機能の低下、食欲不振のリスクが高まります。
はじめて与える際は少量ずつにし、愛犬の様子に変化がないか観察してください。
②キャベツ
キャベツに含まれるキャベジンの働きにより、腸管内の粘膜を保護する効果が期待できます。
キャベツから発見されたキャベジンは別名でビタミンUと呼ばれ、MMSC(メチルメチオニンスルホニウムクロリド)の働きにより胃腸の粘膜を修復します。
ビタミンUは正式にビタミン類に分類されていませんが、ビタミンに近い働きがある栄養素です。
犬でもヒトと同様に、消化管の修復や強化に有益で、消化器トラブルのある犬は摂取するとよいでしょう。
犬にキャベツを与える際は、生のままでも食べられますが、消化性を高めるために、柔らかく加熱してください。
水溶性ビタミンのビタミンUは、水に溶けやすい性質であるため、茹で汁を一緒に与えると溶けだした栄養素の吸収も可能です。
芯の部分の食感を好む犬もいますが、勢いよく飲み込むと喉に詰まりやすく、小型犬に与える際は、ドッグフードと同じサイズになるように小さくカットしましょう。
③めかぶ
めかぶはわかめの根本部分を指し、水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダンが多く含まれます。
水溶性食物繊維は多糖類のひとつであり、粘性を持つぬめり成分です。めかぶのほかにも渇藻類に多いアルギン酸や紅藻類に多いフコイダンは保水作用があり、粘膜の水分量を維持する役割を果たします。
腸管は乾燥しやすい臓器であるため、腸管内の粘膜を保護する保湿性の高い食材の摂取が求められます。
犬には、必ず加工されていないめかぶを選択してください。加工品は塩分が多く含まれており、過剰摂取による嘔吐やふらつきなどのリスクが高まります。
与える際は加熱をし、包丁でみじん切りすると、消化性や粘り気が増し食べやすくなります。
カロリーを基に算出した上記の表で適正量280gとしていますが、海藻類は消化しにくい食材です。少量ずつ与え消化できているかを観察し、便にそのままの形で残らない程度に控えましょう。
犬の腸活を成功させるには?
犬の腸活成功には、便のチェックやストレスのない生活を送ることが重要です。
食事にこだわり過ぎず、愛犬と一緒に楽しく腸活できる習慣をつけるとよいでしょう。
便の様子を観察する
便の様子を観察すれば、腸内環境の良し悪しを見極められます。
善玉菌の働きが優位であり、腸内フローラのバランスがよい場合、腸内は酸性に保たれ、悪玉菌から生成する悪臭の原因のスカトールやインドールなどが蓄積していない状態です。
便は次の項目を確認しましょう。
- 形:力んだ際に無理なく出る長さが理想です。コロコロした便は、食物繊維量が多く、腸内での停滞時間が長い可能性があります。
- 臭い:異様な臭いがしない程度が理想です。鼻につくきついにおいは腸内フローラのバランスが悪いといえます。
- 色:黄褐色から茶褐色が理想です。与えた食材がそのままの形で排泄される場合は、消化不良を起こしていると考えられます。
- 硬さ:便を持ち上げたとき、跡が残らない程度の湿り気があるとよいでしょう。
- 回数:1日1~2回が理想です。毎日同じ回数の排便習慣をつけるとよいでしょう。
犬種や体重、年齢により個体差があるため、体重変動がなく体調が安定している場合は、理想に当てはまらなくても心配する必要はないでしょう。
とくにはじめての食材を与えるときは、便の様子を観察してください。
半年から1年に1度、動物病院で検便をおこなうと、腸内フローラの状態を把握できるでしょう。
ストレスのない生活を送る
腸活は自律神経にも影響するため、ストレスのない生活を送ることも大切です。
ヒトでも緊張や疲れからお腹が痛くなる経験があるように、ストレスのかかる環境では、脳腸相関と呼ばれる、腸と脳の間で情報交換される神経系の影響を受けます。
犬が過ごしやすい気温21~25℃、湿度50~60%程度の環境や、静かに落ち着ける睡眠場所の確保が必要でしょう。
また、飼い主とのコミュニケーションを増やす遊びや散歩などの運動もストレス緩和につながります。ドッグランの活用や、噛むおもちゃを使うこともおすすめです。
まとめ
本記事では、犬の腸内フローラを改善する食事を解説しました。
腸内環境が正常に保たれると、効率よく栄養素を吸収でき、皮膚や被毛の健康や免疫力向上にもつながります。
腸活には、善玉菌そのものや、善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維、腸内の粘膜を強化、保護する食材の摂取が求められます。
腸活は継続的におこなうことでより効果を発揮します。愛犬と飼い主が無理なくできることからはじめ、楽しみながら腸活しましょう。