先日、日本で出会える身近な野生動物!特徴や見分け方を紹介という記事で、私達の身近でみられる動物についてお話しました。
今回はその続編で、山道や山中、川辺などに出かけた際に見ることのできる動物たちを紹介したいと思います。
案外身近に動物は潜んでいるものですが、少し足を伸ばせばまた違った動物に会うことができるんですよ。
山道で見かける動物
少し遠出をしたいと思ったとき、高速道路ではなくて下道でお出かけをすることが皆さんもあるかと思います。
日本の各都道府県の県境は山脈に沿っていることが多いので、県をまたぐ際には山道を走ることがあるでしょう。
そんな木々に囲まれた山道を車で走っていると、普段はあまり見られない動物に出くわすことがあります。
ニホンジカ

日本に棲息するシカは1種でニホンジカのみですが、本州のシカはホンシュウジカ、北海道に棲息するシカはエゾシカなど、各地で合計7種の亜種が存在します。
ニホンジカは生息数が増加していて度々話題になりますが、普通に生活しているとあまり出会わないかもしれません。
しかし人口が集中していない場所の山道を夜間や早朝に車で走っていると見かけることがあります。
特に夜間では、車に気づいたシカがこちらを見ると目がライトに照らされ、ピカーっと光っているように見えることがあります。
シカはお尻に白い毛が生えているのですが、この毛を鏡毛(かがみげ)や尾鏡(びきょう)と呼び、危険を感じるとこの白い毛を逆立てておしりを突き上げながら逃げるので、群れで居るとこの白い毛が逃げる合図となるようです。
ただ車で出会った際には車と同じ方向に逃げることは少なく、横方向にひらりと逃げてしまうのでお尻を見ることはあまりないかも知れませんが、もし見かけたときはお尻をよく見てみてください。
道路を横切るようにいきなり飛び出してくることがあるため、自動車との衝突事故を起こし亡くなってしまうケースが相次いでいます。
以前ロードキル個体を見かけた際に道路緊急ダイヤル(#9910)へ連絡をしたところ、第一声に「タヌキですか、シカですか?」と聞かれました。
それほどタヌキやシカのロードキルが多いのでしょう。
登山をしてると、ピーっと笛を吹いたようなよく通る鳴き声が聞こえることがあります。
これは、シカが仲間に危険を知らせている声です。
私が最も多くシカに遭遇したのは、四国の剣山に向けて麓を車で走っていたときです。
やはりその時も夜間で、車通りも民家の明かりも全く無いような状況でした。
山道の脇にはミヤコザサと思われる笹が生い茂っており、食事中だったのでしょう。
近年、山林ではシカによる木々の皮剥ぎにより木が枯死し、その代わりにササ類が繁殖地を広げ、そのササを食料源とするシカが更に増えるという悪循環をもたらしています。
その代表例が奈良県と三重県の境にある大台ケ原ですが、大台ケ原は初心者でも気楽に登山ができるコースがあるので、お時間のある方はぜひとも足を運んでみてください。

日本での個体数が増加しているシカはイノシシとともに指定管理鳥獣に指定されており、2013年には後の10年間で個体数を半減させるという目標をかかげ、捕獲を推進してきました。
2026年現在ではピークを迎えた時期より減少していますが、個体数は多いままです。
依然半減目標には至っていないため、現在も国による個体数の管理が行われています。
- 偶蹄目シカ科シカ属ニホンジカ
- 体長:オス90~190cm,メス90~150cm
- 草食性
- 夜行性
- 群居性
- 狩猟鳥獣
- 指定管理鳥獣
イノシシ

イノシシもよく見かけるとは言い難いですが、少し山間部に入ると道路を横断していたり、こちらの存在に気付いて逃げだす際にブフォっと声を出すことがあるので、近くにイノシシが居るんだと気付くことがあります。
住宅街に出てくることは少ないと思いますが、山に囲まれた場所や農村部には出没することがあるのではないでしょうか。
雪がふる土地は苦手なため東北地方の個体数は少ないですが、近年の温暖化で生息域を広げています。
本来昼行性の動物ですが、人間との接触を避けるために夜間に行動することもあります。
イノシシは雑食性で、土の中の球根やネズミを狙って土を掘り返したあとをよく見かけます。
イノシシはニホンジカほど生息数が多いわけではありませんが、シカと同じように国によって個体数の削減目標が掲げられています。
イノシシの鼻は固くスコップのように土を掘り返すことができますし、また首や肩の力も強力で、鼻先に乗せて重い石も持ち上げることが可能です。
100kgに満たないミニブタでも、飼育柵の重い単管パイプを持ち上げて脱走することができるくらいです。
興奮したイノシシは大変危険なので、近づかないようにしましょう。
死亡事例こそ少ないものの、全国におけるイノシシによる傷害事例は年間に50〜100件程度起こっているようです。
イノシシを家畜化したブタや愛玩用のペットであるミニブタ、マイクロブタはとても頭が良く、犬のように芸を覚えます。
そのため、イノシシもかなり頭がいいと言われており、犬や霊長類に匹敵するほど頭がいいと考えられています。
そのため、一度危険な目に合ったりするとそれを学習して避けるようになる傾向が見られるとのことです。
- 偶蹄目イノシシ科イノシシ属イノシシ
- 体長:オス110〜170cm,メス100〜150cm
- 昼行性
- 雑食性
- オス:単独行動 メス:群居性
- 狩猟鳥獣
- 指定管理鳥獣
ニホンザル

ニホンザルはマカク属という聞き慣れない名称の属に分類されますが、その殆どがアジアに生息しているサルのグループになります。
その中でもニホンザルは本州の最北端である青森県にも棲息し、人間以外の霊長類で最北に住むサルとして有名で、海外ではスノーモンキーとも呼ばれています。
そのため北海道には棲息しませんが、本州、四国、九州で見ることができます。
また、ニホンザルは日本の固有種でもあります。
今年は市川市動植物園で飼育されているニホンザルのパンチくんが世界中で有名になりましたが、その愛らしさはもちろん、種としての珍しさも話題性に一役買っていたのではと思います。
日本国内では山間部に行くと野生のニホンザルに会うことがよくありますが、たいてい道の端っこで座っていたり、数匹単位で移動していたりします。
また、電柱の上にいたり電線の上をつたっていたりもします。
ニホンザルは農業被害を起こしていて、農業被害額は獣類の中でシカ、イノシシに次いで3位となっています。
農業従事者にとってはやっかまれる存在ですが、簡単に手に入る食料を食べに来るのは当たり前といえば当たり前かと思います。
野生下のニホンザルは木の実や果実、木の葉、虫、ヘビやトカゲなど、季節ごとに見つけられる様々なものを食べているようです。
ニホンザルの特徴的な点として、喉元付近に食物を一時的に溜め込んでおける頬袋を持っているということをご存知でしょうか。
頬袋を持っている動物といえばハムスターやリスだけだと思っていたので驚きました。
ニホンザルは賢く、不用意に近づくと機嫌を損ねて人間を襲ってくることもあります。
特に観光地など人は怖くないと学習しているニホンザルは凶暴化することが多いようです。
サルに出会った際にはむやみに目線を合わせたり、挑発したりなどして機嫌を損ねてしまわないように気をつけましょう。
ニホンザルは昼行性で、人間や車に出会ったとしても警戒心が薄くあまり逃げ出さない印象があります。
ニホンザルは狩猟鳥獣ではありませんが、農業被害の多さなどから有害鳥獣とされ、許可捕獲が可能となっています。
環境省が公開しているデータによると、令和3年度には都道府県知事の捕獲許可による捕獲鳥獣数の第二種特定鳥獣管理計画に基づく鳥獣の数の調整では5,118頭、鳥獣による生活環境、農林巣産業または生態系に係る被害の防止では18,078頭のニホンザルが捕獲されたとしています。
合計で約2万3千頭のニホンザルが捕獲されていて、令和2年度、令和元年にもそれぞれ2万頭程度が捕獲されているようです。
参考:令和3年度鳥獣統計情報
近年の個体数の推移や生息地域の変化については最新情報があまり得られませんでしたので、詳しい情報が待たれるところです。
許可捕獲後は基本的に殺処分となりますが、霊長類で人間と近い動物であることから、捕獲を進んで行おうとする人は少ないと言います。
ニホンザルの農業被害に関してはなかなかセンシティブな問題ですが、被害が出ないような畑作りを行おうというのが一般的な論調のようです。
- 霊長目オナガザル科マカク属ニホンザル
- 全長:オス53〜60cm、メス47〜55cm
- 昼行性
- 雑食性
- 群居性
- 日本固有種
- 農業被害額3位
里山や近くの川では?
山登りをしているときにおすすめなのは聞こえる音に気をつけながら歩くことです。
動物が動く際にはかすかな木の枝や落ち葉が擦れる音などの物音がします。
そんなときに立ち止まってあたりを見渡すと、案外身近に動物がいることがあります。
もちろん目で動物を見つけることもあるのですが、個人的には見るよりも音で気がつくほうが多いと思っています。
ニホンリス

ニホンリスは日本の固有種で、背側が灰色〜茶色、腹部が白色で大きさは20cmくらいです。
里山を歩いていると、カサカサっと音のする方を見たらリスがいた、ということが稀にあります。
哺乳類にしては珍しく、リスは昼行性の動物です。
すぐに逃げてしまうのでじっくり観察することは難しいですが、小柄で愛らしいフォルムをしています。
ニホンリスは夏毛と冬毛で見た目が少し異なっており、夏は尻尾の毛量が減り耳の先にある尖った毛がなくなります。
冬はふわふわの尻尾で耳の先に長い毛が生えるのですが、ニホンリスと聞いて皆さんが思い浮かべるのはきっと冬毛の方でしょう。
また、意外かもしれませんがニホンリスは冬眠をせずに冬を過ごします。
縄張り意識が低く、樹洞の中などに2.3匹で集まって冬を越すこともあるのだそう。
リスは貯食と言って、冬に備えて地面や木の枝の間などに木の実を隠しておき、冬に掘り出して食料とします。
貯食をしたけど結局食べずにそのまま忘れてしまうことも多く、その種子が春に発芽することによって森の生態系の維持に大きな役割を果たしているようです。
また、冬は越冬中の昆虫類も食べるとのことなので、雑食性なのですね。
冬場には朝に最もよく活動しますので、冬にニホンリスを見たい場合は朝に山へ行くと良いでしょう。
本州に棲息する樹上性のリスはニホンリスとタイワンリスがいますが、タイワンリスは一部の地域で個体数を増加させている外来種となります。
タイワンリスはニホンリスと比べて大柄で腹部も黒っぽく、尻尾はそんなにふわふわしておらず、耳は冬でも小さく丸っこい形をしています。
私は和歌山県の友ヶ島で見かけたことがありますが、かなり繁殖しているため探せば何匹でも見つけることができるくらいです。
日本国内において野生下で棲息しているシマリスは北海道のエゾシマリスのみで、ペットとして飼われることのあるシマリスは中国などに棲息するチョウセンシマリスを愛玩用として日本に持ち込んだものです。
愛玩用のシマリスが逃げ出したり放獣されることによって、本州の一部の地域では野生化した個体が見られています。
参考:シマリス/国立研究開発法人国立環境研究所 侵入生物データベース
リス類の体の大きさは、シマリス、ニホンリス、タイワンリスの順に大きくなっています。
リスが松ぼっくりを食べたあとに残る芯の部分はエビフライに似ていて、このエビフライを見つけることでもリスの存在を知ることができます。
- 齧歯目リス科リス属ニホンリス
- 体長:16〜22cm
- 昼行性
- 雑食性
- 独居性
- 日本固有種
ニホンノウサギ

ニホンノウサギも日本の固有種です。
ノウサギは警戒心が強く、また昼間は草むらなどの中に隠れており、主に夜間に活動するので人の目につくことがあまりありません。
ノウサギをあまり見かけない原因として、個体数が減少している可能性が挙げられます。
10年前の記事にはなりますが、その際にはノウサギの個体数は全国的に減少傾向にあるとの調査結果が得られていました。
ペットとして飼われているカイウサギはノウサギではなくアナウサギという種を家畜化したもので、日本の野生下にはアナウサギは存在せず、ノウサギのみが棲んでいます。
ノウサギはアナウサギと違って土の中に穴を掘って集団で暮らすことはせず、地上で単独で暮らしています。
足、耳が大きく、外敵から逃げるのに有利な体の構造をしていて、皆さんが見慣れているペットのアナウサギよりもスレンダーな体つきをしています。
ノウサギはなんと60〜80km/時ものスピードで走ることができるとのこと!
車で大きな国道や高速道路を走っている時と同じくらいのスピードとは驚きですね。
私自身は高知県の山道を車で走っているときにノウサギが逃げる後ろ姿を見かけたことがあるのと、冬に岡山県と鳥取県の県境に位置する山へ登った時に足跡を見かけたことがあります。

私は冬に山に登ることが少ないので足跡を見かける機会は少ないですが、冬期登山をする方はよく見かけるかもしれません。
このように、積雪があると動物の足跡が残るために、動物の存在を知る手掛かりとなります。
また、同じノウサギでも冬に積雪がある地域に棲むトウホクノウサギという亜種では冬に白色の毛に換毛します。
- 兎形目ウサギ科ノウサギ属ニホンノウサギ
- 体長:45〜54cm
- 夜行性
- 独居性
- 草食性
- 日本固有種
- 狩猟鳥獣
コゲラ

ゲラ、というのはキツツキのことを指します。
コゲラの大きさはスズメくらいと、日本に生息するキツツキの仲間では最小です。
また、コゲラも鳥の中では数少ない日本固有種です。
山を歩いていると、くちばしを使って高速で木をつつく音を聞くことがあります。
木をつつくということはキツツキの仲間なのですが、その中でもコゲラは里山や雑木林などに棲息し、そこまで珍しくはない鳥です。
キツツキが発するこの木をつつく音をドラミングと言いますが、コゲラは姿を見かけるよりもドラミングの音で気付くほうが多いかも知れません。
ドラミングをするのは木の中の餌を取る目的の他にも巣穴を掘ったり、異性へのアピールの際にも使用されるとのことです。
木の枝に止まるというよりは、地面に対してほぼ垂直の角度で木の幹に止まっていて、背中は白と黒のしましま模様です。
尾羽根は腹側に反っており、木をつつくときに尾羽根も木に接することで体の支えとしているようです。
木に止まっていないとキツツキとは気づきにくい姿をしていますが、キツツキの仲間に特徴的なまっすぐに伸びた細いくちばしが目印であると言えます。
鳥は見た目の違いや、鳴き声、飛び方、落ちている羽やドラミング音など、生息のヒントとなるものが沢山あります。
五感を働かせぜひ野鳥を探してみてくださいね!
- キツツキ目キツツキ科コゲラ属コゲラ
- 全長:約15cm
- 昼行性
- 雑食性(昆虫、木の実など)
- 日本固有種
キジ

日本の国鳥といえばキジです。
また、福沢諭吉の1万円札の裏側には番のキジがいたことを覚えていますでしょうか。
それほど昔から日本人に親しまれていた鳥ではありますが、都会で暮らしている方はあまり見かけたことがないと思います。
草の生い茂った河川敷などの広い平地にキジが住んでいることがあり、人に遭遇すると早足で逃げていきます。
キジは体に対して羽が小さく飛ぶのが下手なので、走っている姿をよく見かけます。
ちなみに私はキジが飛んでいるところを見たことがありません。
木々に囲まれた道でキジやヤマドリというキジの仲間が道路を横切っていくこともあります。
オスのキジは鮮やかな色をしていますが、メスは地味な色をしていて性的二形を示します。
個人的にキジは番でいるイメージが強く一夫一妻制の鳥かと思っていたのですが、意外にも一夫多妻制の鳥なのだそうです。
コゲラと同様に鳥類の中では貴重な日本の固有種となっています。
国鳥ではありますが狩猟鳥獣に指定されており、世界的に見て国鳥が狩猟対象になっているのはとても珍しいようです。
- キジ目キジ科キジ属キジ
- 全長:オス約81cm、メス約58cm
- 昼行性
- 雑食性(草の種子、芽、昆虫など)
- 狩猟鳥獣
- 日本の国鳥
- 日本固有種
ダイサギ

川沿いを歩いていると、ツルのようにも見える大きな鳥が川の中に佇んで、泳ぐ魚を食べるためにじっと狙っている姿をよく見かけます。
これは大抵がサギの仲間で、その中でも最も大きく真っ白なサギがダイサギと呼ばれる種です。
名前の最後に〜サギや〜ゴイと付いているものはペリカン目サギ科に属する鳥たちで、思っているよりも多くの種が日本に棲息しています。
特定非営利活動法人バードリサーチらが行った最新の調査では、川の小さな魚を主食とするサギ類はほとんどが減少傾向ですが、大型のアオサギやダイサギは増加傾向にあるとのことです。
参考:全国鳥類繁殖分布調査 日本の鳥の今を描こう 2016-2020
ダイサギとツルは外見上よく似ていますが、実は飛んでいるときの姿が全く異なります。
ツルは首を伸ばして飛ぶのに対し、サギ類は首をZ字型に曲げて飛ぶのです。
そう言われてみると、首を曲げて飛んでいる鳥を見たことがあるなあと思いませんか?
川をカヤックなどでゆっくり下ってツーリングをすると、川側から見える景色は道路側から見える景色とはまた違ったものになります。
サギは春から秋にかけて繁殖期となるため、川沿いの大きな木の上に集団で巣を作ります。
木の枝などを集めて巣を作っていて、さらにダイサギやアオサギなど複数の種が集まって過ごす姿を間近で見るのは大変興味深いものがあります。
川の流れに流されながらそんな様子を見ることができるのはカヤックツーリングの醍醐味ではありますが、上を向いている時に落ちてくる糞には要注意。
サギのように魚を食べる鳥の糞は、とても臭いんです!
- ペリカン目サギ科アオサギ属ダイサギ
- 全長:約89cm
- 昼行性
- 肉食性(魚、両生類、昆虫、小型哺乳類など)
カワウ

川の近くを歩いているときに、真っ黒の鳥が川の中に浮き出た石の上で翼を広げているのを見たことがあるでしょうか?
このカワウは潜水して魚を捕らえることに特化した鳥で、浮力を無くし潜水能力を高めるために翼には撥水機能がなく、潜水後は羽がびしょ濡れになります。
そのため、潜水後は太陽の光で羽を乾かす必要があるのです。
さらに、カワウは潜水をするために生まれて数日で鼻の穴は塞がってしまうそうです。
体の構造をそこまで変えてしまっているとは驚きです。
また、ウの顔をアップで見てみると、目の色が緑色でとても綺麗なことを知りとても驚きました。
個人としてはカワウはよく見かける鳥で、羽を乾かす姿が特徴的である以外には特段何の変哲もない鳥だと思っていたので、様々な生態を知りより興味深い気持ちになりました。
カワウは一時期個体数が減少し国内に棲息している個体の絶滅が危ぶまれましたが、現在は狩猟鳥獣に指定されていて、個体数の増加が問題になっている種でもあります。
鮎の養殖場などに現れ、漁業被害が出たりなどしているそうです。
カワウと似た種にウミウがいて、こちらはカワウより少し大型の沿岸に生息する種です。
日本の鵜飼いが川で漁をしている映像を見たことがある方も居ると思いますが、鵜飼いが飼っているのは実はウミウの方なのだとか。
- カツオドリ目ウ科ウ属カワウ
- 全長:約82cm
- 肉食性(魚類)
- 狩猟鳥獣
地域によって出会える動物が違う
日本は南北に細長い島国で離島もたくさんあります。
また日本最高峰の富士山は標高3776mですが、中部地方には3000m級の山々が存在します。
様々な地理的要因から、日本国内では地域によって異なる動物が棲息していることがあります。
◯◯県では綺麗なあの鳥をよく見かけます!

私が住んだことのある岡山県の南部は日本国内でも水路が多い地域で、水路の密度は全国平均の約5倍とされています。
そのためか、川辺に棲むカワセミがいたるところで見られ、倉敷市の市の鳥にも指定されていました。
日本に棲むカワセミを含むカワセミ科のヤマセミ、アカショウビンの三種はそれぞれ特徴的な外見をしていますが、カワセミは最も小さく、鮮やかな青色とオレンジ色がとても美しいことから人気の鳥種です。
- ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属カワセミ
- 全長:16〜20cm
- 昼行性
- 肉食性(魚類、まれに両生類、小型爬虫類など)
また水路が多い岡山県は外来種で水辺に棲むヌートリアも繁殖には適した土地のようで、見かけることが多かった印象です。
ヌートリアは特定外来生物に指定されており、近年話題になっています。
大型のげっ歯類で、顔つきはビーバーのようですが、ネズミのような細長い尻尾でヌートリアであると分かります。
げっ歯類らしく生まれる子は多産で、繁殖も年に数回、さらに性成熟に達する期間も短いため、驚異的な繁殖力を誇ります。
ヌートリアは毛皮目的として日本に持ち込まれましたが、毛皮の需要の低下やペットとして飼養していた個体の野生化などで日本に定着してしまったと言います。
原産国は南アメリカで寒さに弱く、日本では比較的温暖な西日本で棲息が確認されています。
- 齧歯目アメリカトゲネズミ科ヌートリア属ヌートリア
- 全長:40〜60cm
- 夜行性
- 雑食性(水生植物、巻き貝など)
- 狩猟鳥獣
- 特定外来生物
その他にも、奈良県の奈良公園ではシカが天然記念物に指定されているのは有名な話ですよね。
その個体数の増加が問題となっていて、溢れ出した鹿が近隣で見かけられることもよくあります。
今年は奈良公園から出てきたと思われるシカが大阪府にて発見され、保護の上飼育されることになったというニュースがありました。
ちなみに、早起きは三文の徳、という言葉がありますが、一説によると奈良のシカがこの言葉の語源になっているそうです。
古来より奈良の鹿は神聖視されていたため、家の前で鹿が死んでいると三文の罰金を課せられることがあり、罰金を逃れるため、早起きをして家の前に鹿が死んでいたら隣の家の前まで移動させておくと三文の罰金を逃れることができる、というお話です。
真偽は分かりませんが、奈良県において鹿はそれほど人の生活に深く関わっていた動物なんだと言うことが分かります。
高山などの特殊な環境では…?

日本は離島が多い国です。
海で隔てられている場所では動物の行き来が制限されるため動物相がかなり変わってきます。
琉球地域や小笠原諸島は離島なので様々な固有種がいますし、北海道と青森県の境にはブラキストン線と呼ばれる動物相の境界線があるため、北海道に生息する動物種は大きく異なります。
また同じ本州の中でも南北で動物相が違うことはよくありますが、標高の差でも動物の種類はまた異なってきます。
長野県などにまたがる高山帯の日本アルプスでは、ライチョウやホンドオコジョに出会うことができます。
ライチョウは標高2,200m以上の高山帯で繁殖する高山棲の鳥です。
日本の固有種ではないですが、世界的に見て日本はライチョウが棲息する南限で、氷河期時代に日本に住んでいた個体が暖かくなるに従って寒い場所のアルプス山脈のみに生き残ったようです。
日本国内の個体数は減少傾向にあり、現在は 羽のみとなっています。
環境省のレッドリストでは絶滅危惧種ⅠB類に指定されていて、保護活動が進められています。
生息域が限られますが、アプルスに登ると特段珍しい生物ではなく、かなりの確率で出会うことができます。
また、飛ぶのが苦手で、早足で歩いている姿を見かけます。
天気が悪くなる前に現れることが多いことから、ライチョウ(雷鳥)の名前がついたとされます。
ライチョウは夏と冬で装いが変わるため、冬の真っ白な体にちょこんと乗った赤い冠?は冬山登山をする人だけが見られる特別な姿と言えます。
- キジ目キジ科ライチョウ属ライチョウ
- 全長:約37cm
- 昼行性
- 雑食性(高山植物の芽、種子、昆虫など)
- 国の特別天然記念物
- 環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類(EN)に選定
また、ホンドオコジョも中部地方から東北地方の高山帯に棲息する生物です。
オコジョも夏には茶色、冬には白色となる生物です。
体のサイズはとても小さく、またすばしっこいのでしっかりと目に焼き付けるのは結構難しいかもしれません。
岩と岩の隙間をちょこまかと器用に走り回ります。
見た目は可愛らしいのですが、アルプスではライチョウの子供を食べるとのことで、高山ならではの食物連鎖を感じます。
- 食肉目イタチ科イタチ属オコジョ(亜種名ホンドオコジョ)
- 体長:オス18−20cm、メス14−17cm
- 昼行性
- 肉食性(ネズミ、リス、ウサギなど)
- 独居性
- 長野県の天然記念物
- 環境省レッドリストで準絶滅危惧種(NT)に選定
まとめ
名前は聞いたことがあるけど実際に見たことはない、という動物や、見たことはあったけどこんな生態だとは知らなかった、という動物はいましたか?
私達人間と野生の動物たちの暮らす場所には、完全な境界線が引かれているわけではありません。
2色の色が少しずつ変化を伴いながら混ざっていくように、動物の生息域もグラデーションを呈しているのです。
身近な里山や川は動物の色の濃い場所であるといえます。
必ずいろんな動物が暮らしているので、ぜひ生き物の痕跡を探しながら周りを見渡してみてください。
きっと新たな発見があり、世界が広がったように感じられると思います!


