どんな家が暮らしやすい?ペットと一緒に生活するための間取りや工夫を解説!

窓辺でくつろぐ猫
  • URLをコピーしました!

これから新しく犬や猫を迎えようとしている方や、ペットを連れての引っ越し、新居の購入などを考えられている方にとって、ペットと一緒に快適に暮らせる家探しはとても重要ですよね。

ペットが安全に暮らせるだけでなく、健康に配慮ができることや、なるべくペットのお世話がしやすいつくりであることも、気にしておきたいポイントです。

ペットは私たち以上に、家の中で過ごす時間が長くなります。

だからこそ、より快適に暮らせる家に住みたいものです。

しかし、どのような家がペットにとって暮らしやすいのかは、ペットの種類や個性などによっても異なります

今回は、犬や猫にとってどのような家が暮らしやすいのか、また、ペットの安全や健康に配慮するにはどのような面で気を付ければよいのかをご紹介します。

ペットの種類に合うストレスを感じにくい理想的な間取りや、ペットと人がお互い快適に過ごせる空間づくりの工夫など、これからの家探しや今ある生活の見直しに、ぜひお役立てください。

目次

平屋でも問題ない?犬や猫で異なる暮らしやすい間取りとは

家の中で退屈そうな犬

新しく住まいを探される際、「犬は広い間取りが必要?」「猫は2階建て以上がいい?」など、ペットの種類によって、暮らしやすい家の広さは一番気になるところではないでしょうか?

結論として、家は平屋でも問題はなく、むしろ広さが重要になります。

まずは、犬や猫が快適に暮らすために必要な間取りについてみていきましょう。

犬に必要な間取り

犬は、犬種によって身体の大きさが異なり、それに伴って活動に必要な広さも異なります。

もちろん、身体の大きな犬のほうが広いスペースが必要です。

以下が、小型犬・中型犬・大型犬に必要な間取りの目安ですので、参考にするとよいでしょう。

小型犬5.5~6畳程度
中型犬8~14畳程度
大型犬14畳以上

犬種や個体によって活動量は異なるため、一概に決めつけることはできませんが、最低でもこれくらいの広さは必要と考えておくとよいでしょう。

元気に遊びまわる子犬や、狩猟犬(ビーグルやラブラドールレトリバーなど)や牧羊犬(シープドッグやボーダーコリーなど)といった活発な犬種は、より広いスペースが必要です。

特に若い個体はエネルギーが有り余っているため、かなり活発に活動します。

おもちゃを使用する場合でも、口でくわえて振り回したり、自ら投げるようにして遊ぶこともあります。

広さとともに、安全面でも配慮が必要です。

一般に、年齢を重ねるにつれて犬の性格は穏やかになり、活動量も減少します。

老犬の場合、ごはんや散歩以外は一日のほとんどを寝て過ごすことも少なくありません。

したがって、年齢の若い犬ほどの広い生活スペースは必要ないこともあります。

犬にとって階段は足腰に負担がかかりやすい

犬の場合、なるべく階段は使用しないほうが健康上のリスクは少ないといえます。

階段を使用することで、足腰に負担がかかりやすく、特に「椎間板ヘルニア」になる可能性が高くなるのです。

足を滑らせて落下して、骨折するリスクもあります。

階段による足腰への負荷は、上るときよりも降りるときにかかりやすくなります。

特に、小型犬や胴長短足の犬種、老犬は注意が必要です。

なるべく階段を使用しない生活を送れるように注意してあげましょう。

猫に必要な間取り

キャットタワーから見下ろす猫

猫の場合は、犬ほど広い間取りは必要ないと考えられています。

広さでいえば、一般的には8畳程度あれば問題ないといえるでしょう。

犬の場合は動き回るための横空間の広さが必要になりますが、猫を飼育する場合は、縦方向に移動ができることが重要です。

犬にとってはあまり好ましくない階段も、身体が柔軟な猫にとってはいい運動の場になります。

猫は高い場所も好きですので、ストレス解消においても階段の上り下りはとても役立つのです。

しかし、一段一段が高い階段や踏面が狭い階段、傾斜が急な階段などは猫にとっても負担になることがあります。

猫が高齢になるほど、なおさらです。

特に、築年数が経過している家でこのような傾向があるため、中古住宅を購入する際には、あらかじめ気を付けて確認してみるとよいでしょう。

また、素材によっては滑りやすい階段もあります。

滑り止めテープやマットなどを利用して、階段でけがをすることがないよう、猫の安全に努めましょう。

狭い家は限られたスペースの有効活用を

家が狭い場合も、スペースを有効活用することで快適な暮らしを送ることができます。

ペットが活動する場は、行き止まりができないように物の配置を工夫することで、ストレスや運動不足の解消に役立ちます。

一方通行にするのではなく、水族館で回遊魚が泳ぐような循環型の通路ができるように、物の配置を行います。

居室だけでなく、廊下も利用するとよいでしょう。

猫の場合は高さも重要になるため、キャットタワーやキャットウォーク、背が高い家具などを利用して、上下運動ができるようにしてあげます。

ただし、ここでも安全性への配慮は大切です。

ペットと快適に暮らすには賃貸か持ち家か?

空を見上げる猫

ペットと快適に暮らすために、引っ越しを考えられている方もいらっしゃるかもしれません。

また、住まいを購入するのは、人生において何度もない大きな選択です。

ペットと暮らす上での、賃貸物件・持ち家それぞれのメリット・デメリットを押さえて、どちらが適しているかを選びましょう。

賃貸物件のメリット
  • 設備が故障したときの負担が少ない
  • 購入物件に比べるとその後の引っ越しをしやすい
賃貸物件のデメリット
  • 物件数が少ない
  • 場合によっては退去時に修繕費が高くなる
  • 普段の生活(音や傷など)により配慮する必要がある
持ち家のメリット
  • 自由度が高い
  • 騒音などの拘束が少ない
持ち家のデメリット
  • 修繕費は全額自己負担
  • 転勤などでの引っ越しが難しくなる

ペットと暮らしていると、遊ぶ際の音や衝撃、生活の中での多少の傷などは避けられません。

賃貸物件では、それらに特に注意して生活する必要があります。

持ち家であればそれらのストレスからは解放されやすくなりますが、一度家を購入すると、使い勝手や環境など、「やっぱりこうすればよかった」と思ってもなかなか修正が難しい面があります。

賃貸物件ではできないリフォームや、壁に穴をあけてキャットウォークを作るなどの工夫ができるのは、持ち家ならではの魅力です。

また、賃貸物件では、引っ越しのたびに初期費用や前物件の退去費などがかかりますが、持ち家では家の購入費用のほかに固定資産税や都市計画税などの税金が必要です。

リフォームや、何か設備が壊れた時などの費用も全額負担となります。

どちらがご自身やペットにとって快適に暮らせるか、一概には言えません。

それぞれのメリット・デメリットをよく考慮して家を選ぶことが大切です。

近年では、ペット共生住宅も数を増やしています。こちらのペット共生住宅についての記事でご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

ペットが暮らしやすい家の工夫の例

気持ちよさそうに眠る猫

日常生活を見直すことで、ペットとの暮らしをより楽しく、快適なものにすることができます。

床や壁、家具などから、ペットの健康や安全について今一度考えてみましょう。

滑りにくい床材

フローリングの上で横になる犬

フローリングといえば、木材ならではの高級感や耐久性が魅力ですよね。

しかし、もともと自然界で暮らすペットにとって、フローリングは滑りやすく、足腰の負担増やけがにつながりやすい素材です。

特に、高齢のペットを飼育している場合は気を付けたい部分といえます。

足腰の負担になりにくい、滑りにくい床材をご紹介しましょう。

クッションフロア

塩化ビニルでできた床材で、その名の通りクッション性があります。

耐水性にすぐれているので、掃除がしやすいのもクッションフロアのメリットの一つです。

フローリングとクッションフロアのメリット・デメリットの比較を以下にまとめました。

メリットデメリット
フローリング高級感がある
耐久性に優れている
ペットには滑りやすい
水に弱く尿汚れなどが落ちにくい
臭いが残る場合もある
クッションフロアフローリングと比べて滑りにくい
掃除がしやすい
張り替えが容易
傷がつきやすい
重いものを載せると凹むことがある

ペットと暮らしていると、足の汚れや食べこぼし、嘔吐、排泄などによって、床を水拭きしなければならないことも少なくありません。

クッションフロアは清掃のしやすさでもフローリングより便利です。

ただし、傷がつきやすいため、犬の穴掘り行動や猫の爪には注意しましょう。

また、従来のクッションフロアよりも厚みのある、ペット用のクッションフロアも登場しています。

持ち家で床材を選ぶ際に考慮するとよいでしょう。

カーペット

ペットの足腰への負担を減らしたり、防音効果が期待できたりするのがカーペットです。

また、寒い時期には防寒にも役立ちますね。

ペットのためを思えば、設置しておくのがベターといえるでしょう。

ただし、カーペットは汚れがつきやすく、水分を含む汚れは清掃するのが大変な場合もあります。

毛足の長さや素材に気を配り、設置しましょう。

汚れがつきにくいものや、防臭効果のあるカーペットなども販売されているため、そのような商品を利用するのも快適に暮らす工夫の一つです。

小さなパーツを組み合わせて使用するタイルカーペットは、清掃や交換のしやすさに優れています。

カーペットやラグなどを購入する際は、よりペットとの暮らしに配慮された「ペット用」を選ぶとよいでしょう。

家具は快適性だけでなく安全性にも配慮

ソファーに乗る犬

次に気を付けたいのが家具です。

家具を活用することで収納の幅が広がり、生活スペースの確保につながります。テーブルやソファを使用することで、快適性も向上します。

しかし、素材によってはペットにとって危険なものもあるのです。

ソファーはぼろぼろにされる?布や中綿に注意

日常の中で特に注意したいのが、ソファーをはじめとする布や革などで作られている家具です。

犬が穴掘りをしたり猫の爪とぎに利用されたりすることで、ボロボロになりやすく、中には穴が開いて中身が見えてしまっているというケースも少なくありません。

特に、爪が引っ掛かりやすいツイードの素材は、猫にとって爪とぎの恰好の餌食でしょう。

ソファーの外を覆う部分の損傷であれば見た目の問題のみですが、中綿の材料が出てしまうと、犬によっては誤って飲み込んでしまう可能性があり、注意が必要です。

誤飲すると腸に詰まり、場合によっては開腹手術をしなければならないこともあります。

これは、敷物や毛布、タオルなども同様です。

また、高さのあるソファーや椅子、テーブルなどは、身体の小さな犬が飛び降りる場合に骨折やけがをするリスクがあります。

足腰の負担にもなりますので、なるべく上らせない・飛び降りさせないなどの配慮が必要です。

近年はペットとの暮らしに適した家具も登場

ペットとの快適な暮らしがより重要視されるようになり、人間だけでなく、ペットとの暮らしに適した家具も登場するようになりました。

例えば、キャットタワーと収納を一体化したものや、ペットの足腰の負担を軽減するローソファ消臭だけでなく防ダニ機能も付いたラグなどが挙げられます。

これらの家具を使用することで、スペースの確保や衛生面の向上などを図ることができ、より快適な暮らしにつながるでしょう。

参考:karimoku|わんにゃんインテリア

空調管理はしっかりと

気持ちよさそうに眠るラブラドールレトリバー

日本の四季は、人間にとって過酷ですが、ペットにとっては我々以上に過酷であり、配慮が必要です。

猛暑が続く夏、多くのペットは人間のように汗をかくことはできず、熱中症リスクが高まります。

冬も、気温の低下から体調をくずしやすくなります。

動物たちは環境に冬毛があるから大丈夫というわけではないのです。

特に、子犬や子猫、高齢のペットは注意してあげる必要があります。

エアコンや毛布などを適切に使用して、屋内であってもしっかりと気温や湿度の管理をしていきましょう。

こちらの記事も参考になります。

【今すぐ準備を】犬の熱中症対策と便利グッズランキング

エアコンで室温調整

夏や冬は、エアコンを積極的に活用して、室温を一定に保ちましょう。

特に夏場は、人間にとっては少し涼しいくらいが、多くのペットにとって過ごしやすい気温です。

ただし、ペットの体調や年齢、種類などにより適温は異なります

ペットの様子をよく観察しながら、室温調整を行いましょう。

また、春や秋、梅雨の時期には、湿度にも注意してペットが過ごしやすい環境を整えてあげることが大切です。

ペットがいても安全な暖房は?

冬を乗りきるためのさまざまな暖房器具が販売されていますが、ペットと暮らす場合は安全性も気にしたいところですよね。

エアコンは部屋を安全に暖めるのに適していますが、なかなか足元は暖まりにくい欠点があります。

ストーブやファンヒーターなどは足元を含む部屋全体を素早く効率的に部屋を暖めることができますが、加熱部が高温になるため、ペットが誤って火傷をしないよう、注意して使用しなければなりません。

これらを使用する場合は、周囲を専用のガードで囲むとよいでしょう。

部分的に暖めるのであれば、パネルヒーターが比較的安全です。

加温部が熱くなりにくく、直接的な火傷やけがのリスクが少ない暖房器具です。

ただし、低温火傷には注意して使用しましょう。

オイルヒーターやオイルレスヒーターもおすすめの暖房器具です。

即効性には欠けますが、じっくりと部屋を暖めてくれます。

ファンヒーターのような風の音もしないため、臆病なペットがいても使いやすいでしょう。

オイルヒーターよりもオイルレスヒーターの方が熱くなりにくいので、より安全性に優れています。

これらも、低温やけどには注意が必要です。

また、本体が大きく重いため、ペットが走ってぶつかったりしないよう、設置場所には気を付けましょう。

複数の暖房器具を組み合わせることで、ペットがいても安全かつ効率的に部屋を暖めることができます。

安全性を重視する場合は、ペット用のホットカーペットもおすすめです。

参考:Amazon|パネルヒーター

参考:Amazon|オイルレスヒーター

参考:Amazon|ペット用ホットカーペット

庭はあったほうがいい?

庭で水遊びをする犬

絶対に必要ではありませんが、犬を飼育する場合は、庭があれば外で遊ぶことができます。

ただし、犬を庭で遊ばせる場合、以下のような注意が必要です。

脱走防止策をとる
  • 高さのある塀やフェンスで囲う
  • 穴掘りをして逃げないように地下もある程度の深さまでコンクリートやブロックなどで覆う
  • ペットが自由に出入りできないよう門扉を付ける
植生に注意

食べると毒になる植物を植えない、近づけさせない

【例】

  • ユリ
  • ヨモギ
  • アジサイ
  • スズラン
  • チューリップ など
水場があると便利

遊んだ後に足を洗ったり、水を飲ませたりできる水場(水栓)があると、庭遊びがより快適になります。

リフォームでペットとの快適な暮らしを手に入れる

ドアを開けてほしい猫

持ち家でリフォームの計画がある場合は、ペットとの暮らしにも配慮してはいかがでしょうか。

猫の場合はドアに猫用の扉を取り付けたり、壁にキャットウォークを備え付けたりすることができます。

また、足腰の負担になりにくい床材の選択や、窓を二重にして断熱(防寒)効果を高めたり、脱走しにくい・爪が引っ掛かりにくい網戸へ変更したりすることも可能です。

散歩のあとやペットのシャンプーなどに利用できる、水栓の設置もおすすめです。

水栓を家でのトイレとして教えることで、悪天候の散歩が楽になるケースもあります。

リフォームでどのような施工がどれくらいの期間・費用でできるのか気になる場合は、遠慮せずリフォームの担当者に聞いてみましょう。

まとめ

賃貸でも持ち家でも、ペットと一緒に暮らす上ではできるだけ快適に過ごしたいものです。

また、ペットと一緒に生活する場合には、人間だけの生活にはない注意すべき点が、どうしても発生してしまいます。

ペットは、彼ら自身で生活環境を変えることはできませんし、不便さを訴えることもできません。

一緒に生活する人間が、配慮してあげるしかないのです。

これからペットと暮らし始める方も、すでにペットと暮らしている方も、毎日楽しく健康に過ごせるよう、今回ご紹介した例を参考に、できることから工夫を始めてみませんか?

【免責事項】Animal Compassionではできるだけ正確な情報提供を心がけていますがご利用者様による正当性の確認をお願いいたします。また医療に関する助言を提供することはございませんので、最終的な判断は適切な医療従事者に個別の状況を確認してもらった上で行うようにお願いいたします。

窓辺でくつろぐ猫

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアをどうぞ!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

子どもの頃から動物がそばにいるのが当たり前の環境で育ちました。
大学では家畜の機能形態学・病理学を専攻し、また馬術部に入部し、長年夢だった乗馬を始めることができました。
社会人になった現在も乗馬は継続中です。
大型犬と小鳥と一緒に生活しています。

ペット医療を中心としたジャンルでライティング活動をしています。
こちらのWEBサイトでの活動を通じ、動物と人間がよりよい関係を築くためのお手伝いができれば幸いです。

目次